戦時下でも休日の朝
===地下・蠍・大鉄将生の個室===
「予想してたよりも早く動き出したか・・・」
報告書を読みながら彼は考える。
「早めに護衛を頼んどいたけど、崎谷くんだけじゃなくて友達の方まで狙ったとなると確実にあいつは消しにかかってきてるか・・・」
砂糖とミルクを大量に入れて激甘のコーヒーを一口飲み、糖分とカフェインを摂取しながら思考を働かせる。
「とりあえず特注で作ったクソ重たい剣がうまく扱えれば、彼は俺でも手がつけられない化物になると思うんだけど、どうなるかな」
残りのコーヒーを一気に飲み干し大きく息をついてから、再び報告書に視線を戻した。
===マンション・崎谷至自室===
懐かしいそして忌まわしいあの時の事だろうか、黒い仕事人になる前そしてなるきっかけになったと教えられた事件のことだ。
街中をバイクで走り回り必死に二人の名前を呼んでいる俺がいる。
フルフェイスメットの中が汗で濡れて気持ちが悪い状態で、ただ闇雲に探している。
そこで携帯が鳴り二人の居場所が分かりギアをMAXにしてすぐに向かった。
現場に付きヘルメットを外して武器になるものとして持ってきたカッターナイフを右手に握り、応援を待たず単独で突入をしたあたりで記憶が無くなっている。
そして再び記憶があるのは全身から鉄の匂いがして、そして拘束具で完全に動けない状態にされた状態でそのまま殺されるかB・Wになるかの二択の質問をされているところからだ。
そして俺は後者を選び今がある。
とりあえず時間を確認しようと目覚まし時計のある方に体を向け手を伸ばそうとすると、なにか別の柔らかいものを握ってしまった。
・・・・え?
刹那の時の中俺は必死に思考をめぐらす。
確か昨日寝るときはあの二人は居間で寝るように言いそして侵入できないように、俺の部屋には鍵をかけていたはずだ。
ゆっくりと薄目を開けて掴んでいるものを見ると、そこには胸部がパツパツなパジャマを着た姉貴がいた。
手をゆっくりと離して後ろを確認すると、やはりそこには優愛が毛布に抱きついだ状態で寝ていた。
二人を起こさないようにゆっくりと起き上がり、部屋の鍵を確認すると空いており、この二人のどちらかがピッキングで開けたのだろう。
・・・いつどこでそんな普通に生きてたら使わない技術をマスターしたのかは考えないでおく、とりあえず二人を起こすために、毛布を引き剥がし大声で
「なんで二人共俺の部屋にいるんだよこらああああああ」
・・・・・・二人共ピクリとも動かないんですけど・・・
「・・・キス・・」
「・・・ディープ・・・」
「おい、起きろや」
「「・・・・・・・・・・」」
「あー、汗かいたからシャワーでもあびるかなー〈棒読み〉」
「「ビクッ」」
とりあえず形だけでも脱衣所に向かいシャワーを出して待機。
すると、予想通りに足音が二人分こちらに来たので、ドアを開けて
「お前らは馬鹿か?」
服を脱ぐ直前の馬鹿二人を発見した。
「だ・・騙したわね」
「嘘つき・・・」
二人共半目で睨んでくるがスルーして
「さっさと着替えろ、朝食は作るから俺も学校あるから準備しなきやいけないし。」
そしたら姉貴も優愛も何を言ってるかわからないというような顔をして
「何を言ってるの?」
「今日からGWだから5日間休みだよ」
「Really(本当に?)」
「「Exactly(その通りでございます)」」
・・・・そのネタは危険だわ・・
「だからこっちに遊びに来たんだよ」
本当に間が悪い時にこのふたりは来たなー・・・
「だ・か・ら・どっか遊び行こう。」
「ごめん、今色々とふざけすぎて命狙われてるから無理。」
「妙にリアルな嘘をつくのはお姉ちゃん関心しないよ」
「ハハハ未亜姉嘘じゃなくてホントの話だから、結構ヤバめだから
疑うような目線を向けてくるため言い訳じみた言い方になってしまうが
「できるだけ家にいたほうが安全なんだよ」
「なんで?家にいたら刺客みたいな人たちが突入してきたりしないの?」
「わざわざ相手のホームに突入しても、命が狙ってるのがバレてる以上作戦の成功率が下がるから、相手の行動パターンを読んで一人もしくは人質に取れそうなやつと行動してる時を狙ったほうが、仕留め易い。そのため、俺は極力は家にこもる。」
二人からは半目で思いっきり睨まれるが仕方ない。
「さ~て朝食の準備でもしますか」
自分でもあからさますぎる話題替えをして、朝食の準備を始める。
材料がなかったので簡単に白米とだし巻き玉子と純和風の朝食で味噌汁も作りたかったが、味噌汁にする食材がなかったので断念。
「ん~美味しい。」
「流石に姉さんのリアル殺人料理から私たちを守るために上達しただけはあって美味しい」
「優愛はもうちょっと素直に感想を言えるようになってもらえるとありがたいんだけど・・・」
「恥ずかしいから無理かな?」
頬を染めて視線を下にずらすあたりかなり
「優愛ちゃんあざとい・・・」
流石に未亜姉からツッコミが入った。「流石にあざとすぎたか・・・・」
ちょうど朝食を食べ終わる直前に携帯に着信が入ったので出てみると
「お~、崎谷くん昨日辺り届いたと思うんだけど見てくれた?」
蠍のジョーカー?
「いえ、色々とありすぎたものでまだ見てませんが、あのクソ重たい箱の中には一体何が入ってるんですか?」
「それは開けてからのお楽しみ」
「あと、なんで蠍の隊員から大将って呼ばれてるのかやっとわかりましたよ」
「あ~・・・・、本名使って送っちゃったからバレちゃったか。」
そしてなぜか彼は急に真面目な声になり、
「実は昨日君が襲撃された時間とほぼ同時に大海・長瀬・大類君達がゲームセンターで襲われた。」
「三人はどうしましたか?」
「崎谷君達同様うちの隊員たちが介入してどうにか相手を退けたけど、結構ギリギリだったらしい。 とうとう動き出したかとは思っていたが、まさか俺と流井だけじゃなく大海達まで消そうとするとは・・・・
「驚くのも無理はないと思うけど、これからは自分に弱みを作らないようにしてスキをできるだけなくしてくれ。」
「言いづらいから俺も大将って呼びますけど、今姉貴と妹がG・Wだから俺の家に来てるんですけど、これって大丈夫ですかねぇ?」
「・・・・・まあ、できるだけ気を付けてあまり外室は多くない方が今はいいから」
なぜか大将はなにかを深く考えたときのように、一瞬不自然な間を作った。
「とりあえず外室はできるだけ控えて、送られてきた箱を開けることにしますよ」
「ああ、よろしく頼む」
なぜかハギレの悪い返事をしながら電話は切れた。
「お兄ちゃん誰から?」
「あの馬鹿にならないほど重たい木箱を送ってきた俺がお世話になった人」
「一体何が入ってるんだか、飯食い終わったら開けてみるか」
そう言いながらも簡単なものしかなかったの直ぐに食べ終わり後片付けをしたあと、釘をナイフでテコの原理を使い引き抜き蓋を取るとそこには
「なにコレ?剣?」
「随分と大きいね」
そこには、刃渡り70~80センチと普通じゃ考えられないほど刃の長いカットラスが二本入っていた。




