種明かし
「俺がいくら馬鹿だって言ったって、こっちを警戒している相手に対して簡単に見破られる作戦を立てるわけねえだろ。」
そう言いながら俺はゆっくり振り返る。
神里は悔しそうにこちらを睨むが、あえて微笑をしながら続ける。
「本当だったら桐木に全て任せるつもりだったんだが、銃弾をあえて捨てずにきれいに指紋だけを拭き取るほど几帳面な奴が簡単に引っかかるわけがないと思ってな。
だからあえて高い報酬を払って大類に『できるだけ近接戦闘が強いやつを集めてばれないように尾行ろ』ってな。」
まさか本当に食いついてきて大物が釣れるとは思ってもいなかったがなと、続けると神里は引き金に指をかけた。
「だけどお前が有利な状況を作っていても丸腰じゃあこれは防げないだろ」
「また昨日みたいになるだけだと思うからやめとけば?どうしてもって言うんだったらぶっ放せばわかることだし。」
一応刀は背中に入っているし体にだってTNK製の防弾チョッキだって着ている。
「そうね、でも時間がないから頭を打ち抜かせてもらうね」
・・・・・やばい。
どうする、横に飛ぶか?いやすぐに狙われるだけだ。居合で切るか?相手は拳銃すぐ次が来るに決まっている。そしてこっちの武器は背中に刀袖の中に投げナイフこの状況からして絶望的だ。じゃあ何ではんげきする。
「どうしたの?崎谷君顔から余裕の色が消えたよ。汗まで掻いちゃってまだ5月だからそこまで暑くはないでしょ。」
やっば・・あっちは余裕綽々だよ、こんな近くなのにレーザーポインターで眉間を狙ってるよ。
考えろ全力で今この状況を打破するための策を。
「じゃあ、短い間だったけどさよなら」
できた。でも、これ自分で考えといて成功するのか?だが時間が無え。
「でも俺悪あがきしないと物事を認められないんだよね。」
そういって袖の中に隠しておいた投げナイフを全て空中にばらまいた。
「それで銃の軌道をそらしたつもり?」
そして全てを
「っ!?」
拳で流井の方へ殴り飛ばした。
「でも、これでこの状況を打破できるとでも思ってるの?」
「いいや思ってないさ。」
俺はにやけながら
「でも、時間を稼げれば充分なんだよ」
そういって背中から刀を取り出し、間合いを一歩で一気に詰めて神里のシグザウエルを、トリガーガードの前の部分から切り落とした。
「Sランクの化け物を舐めるなよ」
そのまま左膝を神里の鳩尾に決めて神里が力無く倒れたので決着がついた。
携帯を取り出し今回の一件にかかわったクラスメイトや仲間に『決着:勝者崎谷至』とメールを送った。




