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72.こたつ

 ある日の朝。


 外に出た瞬間、あやめは思った。


「……寒い」


 さすがに寒くなってきた。


 冬だ。


 あやめは腕をさすりながら考える。


「そろそろ用意しないと」


「死にますね」


 ということで。


 電気屋さんへ行くことにした。


 部屋を出ると、ちょうどゆいとばったり会った。


「あ、あやめちゃん」


「どこ行くの?」


「電気屋さんです」


「冬装備を買いに」


 ゆいが笑う。


「じゃあ私も行こうかな」


 ということで。


 二人で電気屋さんへ。


 店の中には冬家電が並んでいる。


 ストーブ。


 ヒーター。


 こたつ。


「……いっぱいあるね」


 ゆいが言う。


「ありますね」


 あやめはしばらく見ていた。


「違いが分かります?」


「うん」


「全部同じに見える」


「わたしもです」


 二人でしばらく考える。


 そして。


 あやめは一つを指さした。


「これでいいです」


 こたつ。


 しかも布団付きセット。


 値段。


 四千五百円。


 ゆいが頷く。


「いいんじゃない?」


「安いし」


 あやめは店員さんを呼ぶ。


「すみません」


「これください!」


 そして帰宅。


 さっそく組み立てる。


 こたつ完成。


 スイッチを入れる。


 ぽかぽか。


「……」


「暖かい」


 あやめはこたつに潜り込む。


 ゆいも入る。


「これ」


「出られなくなるやつだ」


 あやめは頷いた。


「危険ですね」


 でも。


 暖かい。


 二人でこたつに入って。


 そのまま。


 だらだら過ごした。

 

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