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65.女王の朝
次の日の朝。
あやめはいつも通り起きた。
時計を見る。
四時半。
「……」
新聞配達の時間だ。
あやめはジャージを着る。
自転車の鍵を持つ。
玄関を出る。
外はまだ暗い。
少しだけ寒い。
「女王」
あやめはふと思う。
「……」
「新聞配達してますね」
昨日。
妖精女王(仮)になった。
でも。
生活は何も変わらない。
自転車に乗る。
新聞屋さんへ。
「おはようございます!」
新聞屋のおじさんが笑う。
「綾芽ちゃん、おはよう」
「今日も早いね」
「いつも通りです」
新聞を受け取る。
束をカゴに入れる。
自転車をこぐ。
朝の町。
静か。
ポストに新聞を入れる。
パタン。
次の家。
パタン。
配りながら思う。
「……」
「妖精女王」
「新聞配達」
少しだけ笑う。
「まあ」
「そんなものですよね」
配達が終わる頃。
空が少し明るくなってきた。
朝日。
あやめは伸びをする。
「よし」
「今日も一日」
「頑張ります」




