64.結果発表
64.結果発表
しばらくして。
みんな食べ終わった。
あやめは少し緊張して聞く。
「では」
「感想をお願いします」
まず。
ゆいさん。
「うーん」
「どっちも美味しい」
次。
すずさん。
「決められない!」
「どっちも好き!」
りんさん。
「完成度高いわね」
「どちらも美味しい」
あずささん。
「これは」
「選べないやつ」
あやめは思った。
「……」
「勝負になってません」
しずくがくすっと笑う。
「あらあら」
「勝負が決まらないわね」
少し考えてから言った。
「じゃあ」
「わたしが決を採って」
「あやめちゃんの勝ちってことでいいわね」
あやめは驚く。
「あ、ありがとうございます!」
その時。
どこからともなく声。
「ヤッターーー!」
振り向く。
そこには。
シビル。
「これで妖精界は守られる!」
めちゃくちゃ喜んでいる。
あやめは手を出した。
「約束のもの」
シビルが顔をしかめる。
「うっ」
しぶしぶ。
封筒を出す。
あやめは受け取る。
中身。
現金。
「ありがとうございます!」
あやめも嬉しい。
でも。
ふと疑問。
「それで」
「シビルさん」
「何をそんなに喜んでいるんですか?」
あやめは少し考えて言う。
「魔王戦のルール」
「負けた方が」
「勝った方の手下になる」
指を立てる。
「つまり」
「しずくさんが負け」
「わたしが勝ち」
「妖精界のトップは」
「わたしになります」
シビル。
「……え?」
あやめはしずくを見る。
しずくは肩をすくめて微笑んだ。
「そういう約束だったものね」
「わたしの負けでいいわ」
あやめは少し考える。
「……」
「でも」
「わたし」
「妖精じゃないですよね」
シビルが固まる。
あやめは続ける。
「だから」
「本当の意味で」
「妖精女王にはなれません」
「未成年ですし」
「(仮)ですね」
あやめは腕を組んだ。
「ただ」
「今回の勝負は」
「わたしの勝ち」
「つまり」
「勝者の権利があります」
ビシッと指を立てる。
「なので」
「成人するまでは」
「現状維持」
「先延ばしです」
あやめは続けた。
「そのあと」
「しずくさんが」
「女王でいいと思います」
しずくがくすっと笑う。
「いいんじゃない?」
「女王様」
あやめは頷く。
「とりあえず」
「今まで通りです」
庭には。
なんとも言えない空気が流れていた。




