60.中間試験再び
新聞配達。
家事。
試験勉強。
そんな毎日を繰り返して。
また。
試験の季節が来た。
「中間試験」
あやめは机に突っ伏した。
「またですか」
でも。
やるしかない。
新聞配達。
学校。
家事。
そして。
試験勉強。
そんな生活を続けて。
ついに。
試験当日。
「……」
問題を見る。
思ったより。
解ける。
たぶん。
悪くない。
そして数日後。
結果発表の日。
「あやめさん、どうだった?」
同級生が声をかけてきた。
「たぶん」
「そこそこいいと思う」
そう答えると。
その子は笑った。
「そっかー」
「あやめさん頑張ってるもんね」
「まあね」
あやめは苦笑いした。
先生が結果表を配り始める。
「風見」
「はい」
紙を受け取る。
席に戻る。
結果を見る。
うちの学校は。
クラス順位は載っていない。
点数と。
学年順位だけ。
あやめは数字を確認する。
「……」
学年順位。
十七位。
学年はだいたい三百人くらい。
「……」
あやめは小さく頷いた。
「なかなか頑張りました」
天才ではない。
でも。
努力すれば結果は出る。
あやめは紙を畳んだ。
「次も頑張りましょう」
放課後。
フェアリーハイツへ戻る。
玄関で。
しずくさんと会った。
「あら」
「あやめちゃん」
「おかえり」
「ただいまです」
しずくさんが聞く。
「試験」
「どうだった?」
あやめは鞄から結果表を出した。
「今回は」
「十七位でした」
しずくさんが少し驚く。
「まあ」
それから。
優しく笑った。
「頑張ったわね」
軽く頭を撫でてくれる。
あやめは少し照れた。
「まあ」
「そこそこです」
でも。
褒めてもらえるのは。
やっぱり嬉しい。
あやめは結果表をもう一度見た。
十七位。
前より少しだけ順位が上がった。
地味だけど、ちゃんと前進している。
あやめは小さく頷いた。
「次も」
「頑張りましょう」




