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59.シビルの近況
ある日の夕方。
あやめはふと疑問に思った。
「そういえば」
「シビルさんって」
「今どうしてるんですか?」
あやめはしずくさんに聞いてみた。
シビル。
あの妖精。
最近。
全然見ない。
でも。
毎月。
テーブルの上に。
封筒が置かれている。
中身。
現金。
生活費。
最初は。
ちゃんと手渡しだった。
でも最近は。
姿を見ない。
「……」
「どこにいるんでしょう」
しずくさんは少し考えてから言った。
「あの子?」
「今」
「ふてくされてるわよ」
「え」
「ヒキニートしてる」
「ヒキニート」
あやめは少し驚いた。
「そうなんですか?」
しずくさんは肩をすくめる。
「たまに」
「忘れた頃に出てくるみたいだけど」
「ふーん」
あやめは少し考えた。
そして。
「まあ」
「お金は届いてますし」
しずくさんが笑う。
「そうね」
「そこはちゃんとしてるのよ」
あやめは頷いた。
「真面目ですね」
しずくさんが言う。
「まあ」
「そのうち」
「また出てくるんじゃない?」
あやめは少しだけ思った。
ヒキニート妖精。
なんか。
ちょっと気になる。




