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39.階段の落とし物
朝。
新聞配達の時間だ。
私はいつものように玄関を出た。
すると。
階段のところに何かある。
「……?」
近づいてみる。
人だった。
よく見ると。
あずささん。
階段に倒れ込んで寝ている。
「……」
少し近づく。
「あずささん?」
反応なし。
よく見ると。
ほんのり酒の匂い。
「酔っ払いですね」
このままにしておくわけにもいかない。
「とりあえず」
「部屋まで連れて行きましょう」
私はあずささんの体の下に潜り込む。
「よいしょ」
持ち上げようとする。
……。
「無理!」
びくともしない。
私は小さく頷いた。
「やりますね」
私は今、魔法少女状態。
つまり。
少し強い中学生。
それでも。
無理。
「まあ」
「普段より少し力が上がってるだけですし」
大人一人持ち上げるのは無理だ。
私は判断した。
「作戦変更」
連れて上がるのは諦める。
ずり。
ずりずり。
なんとか引きずる。
目標は――
私の部屋。
数分後。
なんとか到着。
私はあずささんを布団に寝かせた。
「……」
完全に熟睡している。
私は時計を見た。
「新聞配達」
時間がない。
私は小さくため息をついた。
「まあ」
「帰ったら話聞きましょう」




