34.白いワンピース
ある日の午後。
私は部屋でだらけていた。
格好は。
ダサTシャツ。
短パン。
完全にヒキニートのような姿である。
ゴロン。
床に転がりながら思う。
「平和だ……」
そのとき。
ピンポーン。
呼び鈴が鳴った。
「はーい」
ドアを開ける。
しずくさんだった。
「あやめちゃん」
しずくさんは紙袋を持っている。
「着れなくなった服をちょっと詰めてみたんだけど」
袋から服を取り出す。
「これ、着てみて」
渡されたのは。
白いワンピース。
そして麦わら帽子。
「え?」
「いいからいいから」
部屋に戻る。
さっそく着替える。
白いワンピース。
麦わら帽子。
鏡を見る。
「……」
私は思わず言った。
「なにこれ」
「かわいい」
The夏の少女。
そのまま外に出る。
しずくさんが見た瞬間。
「かわいい!」
めちゃくちゃ褒めてくれる。
「似合ってる!」
「本当ですか?」
「本当!」
しずくさんが急に言った。
「ちょっと」
「庭のひまわりのところに立って!」
「え?」
ぐいっと腕を引かれる。
そのまま庭へ。
ひまわりの前に立たされる。
「いいわね!」
パシャ。
パシャ。
パシャ。
めちゃくちゃ写真を撮られた。
「もうちょっとこっち向いて」
パシャ。
「帽子少し傾けて」
パシャ。
「いい!」
パシャ。
しばらく撮影会が続いた。
私は少し照れる。
「こんな服、あまり着たことないです」
しずくさんが笑う。
「たまにはいいでしょ?」
私は頷いた。
「はい」
たまには。
こんな女の子らしい服もいいな。




