6.ダラーという男
イフが目を覚ますと、そこは車の中だった。
「あれ……?」
ぼんやりとした頭で周囲を見渡す。
車内には、ほかの奴隷たちも乗せられていた。
身動きも取れないほど、ぎゅうぎゅう詰めだった。
イフは窓の外に目を向ける。
そこに広がっていたのは、焼け野原だった。
かつて街だった場所は見る影もなく、あちこちから煙が立ち上っている。
「……私たち、助かるのかな……」
近くにいた女の子が、不安そうに呟いた。
その直後、車がゆっくりと停車した。
ガコンッ。
荷台の扉が開く。
そこに立っていたのは、イフを助けてくれた大柄な男ダラーだった。
「てめぇら! 安心しろよぉ! 全員助かるぅ!」
「何故かって!? 人類最強の俺が来たからだ!」
シーン……。
奴隷たちは、ぽかんと口を開けていた。
イフはそんな周囲の様子を見て、首を傾げる。
「人類……最強……?」
「あれ……? もしかして俺、有名じゃない……?」
「おかしいな……。結構頑張ってるのにな……」
誰に言うでもなく、ダラーは首を傾げた。
その姿を見て、イフはふと思い出す。
あのときのことを。
***
ダラーから飲み水をもらっていたときだった。
突然、背後から巨大な竜人が襲いかかってきた。
イフが振り返るよりも早く、ダラーが叫んだ。
ダラーが叫ぶ
「だあぁぁっ!!!!」
その瞬間。
ドゴォッ!!
……と、音が聞こえたわけではない。
ただ、ダラーの叫び声が響き渡った次の瞬間には、あの大柄な竜人が地面に倒れていた。
何が起きたのか、イフには理解できなかった。
ただ一つ分かったのは、目の前の男が、とんでもなく強いということだった。
そして、イフもまた、その光景を目の当たりにした直後、意識を失ったのだった。
「あっ! やべ! やりすぎた!?」
「ごめんって、クソガキ! ……あ、息がある」
「よかったー! 生きてるーっ!」
***
あのときの光景が、頭の中でよみがえる。
イフは確かに、この男に救われたのだ。
「まあ、いいか! もうすぐ飯が食えるところに着くぞ!」
「絶対に助かるから、安心しろ!」
そう言って、ダラーは荷台の扉を閉めた。
ガチャン。
車は再び動き出した。
ちなみに今
30話くらいまでメモで書いたやつ一気に出してます。




