↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イフリート  作者: 野口プレシオサウルス太郎
第2章 竜征軍
PR
62/112

60.能力を知ろう


訓練所。


そこには、イフとサブの姿があった。


「いいか、イフ。龍から力を受け継いだ人間のことを、なんて言う?」


「竜人!」


「うむ。じゃあ、竜人から人間へも能力を継承できることは知っているな?」


「うん! もちろん! ……皆、竜人から継承されたんだよね!」


「ああ、そうだ。じゃあ、能力の継承方法がいくつもあることも知ってるな?」


「え、ええっと……。普通に授けたり、無理やり奪ったり……あとは、一部だけ渡したりだよね!」


「お見事」


サブはそう言って、人差し指を立てた。


「俺たちが持っている能力は、皆それぞれ違った方法で継承されたものだ」


「うん!」


イフは真剣な眼差しで、サブの話に耳を傾ける。


「まず、ラクは『音』だ。音で斬撃を生み出したり、でけえ声で爆発を起こしたり、逆に音を消したりもできる」


「うん! すごいよなっ!」


イフは勢いよく頷いた。


「エーズは『雷』だ。雷を全身に纏えば超スピードで動けるし、一点に集中させれば、雷を纏った強力な攻撃もできる」


「あれ、俺もやってみたい!」


イフは目を輝かせた。



そして、ふと思い出したように尋ねる。


「そういえば、キリは? キリも何か能力を持ってるの?」


「ああ。キリは『氷』だ」


「こおりっ!? すげえ!!」


「冷気を集中させれば、一瞬で氷を作り出せる。逆に、冷気を操って氷を溶かすこともできる。なかなか応用の利く能力だ」


「そーなんだ! すげえ!」


「お前が崖から落ちたときも、あいつは氷で階段を作って崖を下っていったぞ」


「そんなんもできるんだ!」


イフは感心しきりだった。


そして、勢いよくサブの方へ振り向く。


「じゃあサブは!? サブはどんな能力なの!?」


「ん? 俺か?」


「うん!」


「…………俺の……能力はな」


サブはそう言うと、胸ポケットから一本のペンを取り出した。


「……? ……ペン?」


イフが首を傾げた、その瞬間。



ドゴォンッ!!


「……うわおっ!?」


凄まじい音が訓練所に響き渡った。


サブが手にしていたペンが、地面に叩きつけられたのだ。


いや、正確には――。


まるで見えない巨大な手に押し潰されたかのように、ペンは地面へと深々とめり込んでいた。


「……な、なんだ!?」


イフは目を見開き、地面にめり込んだペンを凝視する。


サブは何事もなかったかのように口を開いた。


「俺の能力は『重力』だ。……竜王の力だよ」




「………………」


一瞬、沈黙。


そして。


「……す、すげええええええ!!!」


イフの目が、これまでにないほど輝いた。


「ま、マジか!? 竜王ってことは、めちゃくちゃ強いんじゃんっ!」


「うん。マジで強いぞ」


サブはそう言って腕を組んだ。


「……いいか、イフ。俺が言いたいのはな」


そこで、言葉を区切る。


「竜人を倒せるくらいに強くなるには、能力がほぼ必要不可欠になってくるってことだ」


「必要……不可欠」


「ああ。銃だけじゃ厳しい戦いもある。筋力を鍛え、頭をフル回転させて戦ったとしても、能力があるかないかじゃ大きく違ってくる。それくらい、能力ってのは脅威なんだ」


「……そ、そうだよね……」


イフは俯き、自分の手を見つめた。



自分には、能力がない。


これまで二度、竜人と戦った。


そして、二度とも負けた。


能力を持つ相手に、どうすれば勝てるのか。


自分に何が足りないのか。



イフはずっと考えていた。


すると、サブが勢いよく口を開いた。


「そこでだっ、イフ!」


「……え?」


「当面の最終目標は、竜人から能力を授かることだ!」


「おおっ! 目標!」


イフの顔がぱっと明るくなる。


「相手は弱い竜人でも構わない。まずは、そいつから能力を継承できるくらいまで強くなるんだ。そうすれば、能力を手に入れることができる」


サブはニヤリと笑った。


「能力さえ手に入れれば、あとはそれを伸ばしていけばいい。そこから一気に強くなれるぞ!」


「能力を……!」


イフは拳を握りしめた。



そうだ。


自分も能力を手に入れれば、もっと強くなれる。


今まで勝てなかった相手にも、いつか勝てるようになるかもしれない。


「そうだよね! 能力を手に入れるところからだもんね!」


イフは顔を上げ、サブを見据えた。


「わかった! じゃあ早速……俺、サブと戦ってみたい!」


「ははっ! 元気だな、イフ!」


サブは楽しそうに笑った。


「よし。そうと決まれば、何でも使っていいぞ?」


サブは軽く両腕を広げた。


「俺をぶっ倒してみろ」


「よっしゃあ! 任せとけ!」


イフは地面を蹴り、サブに向かって勢いよく走り出した。


サブとの特訓は、まだ始まったばかりだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。