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イフリート  作者: 野口プレシオサウルス太郎
第1章 イフ・フォーエバー
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30/111

29.ラーとダラー


身長、3メートル。


岩石のように隆起した筋肉


逆立つ金色の髪。


そして、あらゆるものの本質を見透かすかのような、鋭く冷たい眼光。


そこに立つだけで、周囲の空気さえも支配してしまうような圧倒的な存在感。


この男の名は、ラー・シェリアス。


竜人の王。


十一人の竜王、その頂点に君臨する男である。薄暗い部屋の中央。


ラーは床に座禅を組み、静かに目を閉じていた

呼吸は深く、ゆっくりとしている。


身じろぎひとつせず、ただ静寂の中に身を置いていた。


しかし、その心は穏やかではなかった。


(オーグス……)


閉ざされた瞼の裏に、ひとりの男の名前が浮かび上がる。


(お前は……いつも俺の邪魔ばかりする)


ラーの眉間に、わずかな皺が寄った。


(何故だ……)


静かな部屋に、ラーの低い呼吸だけが響く。


(何故、あの時……分かり合えなかったんだ)


その問いに、答えはない。


そもそも、なぜ今になってそんなことを考えているのか。


ラー自身にも、よく分からなかった。


ただ、頭の片隅にこびりついたその記憶が、何度も、何度も蘇ってくるのだ。


るで、忘れることを許さないかのように。


――そして。


ラーの意識は、遠い過去へと沈んでいった。




 ◇


そこには、多くの竜人と人間がいた。


何処かの街だろうか。


記憶はひどく曖昧で、周囲の景色もはっきりとは見えない。


それでも、人々の声だけは、耳に焼きつくほど鮮明だった。


『もう争わなくていいんだ!』


誰かが叫んでいる。


『俺たちは分かり合える! 人間も竜人も、同じように生きていけるんだ!』


必死に訴えかける声。


その声には、希望があった。


いつか争いが終わると信じる者の、強い願いがあった。


だが――。


『あぁ……死ね』


別の声が響いた。


『死ねぇッ!!』


憎悪に満ちた叫び。


怒号が飛び交い、記憶の景色が揺らいでいく。


何が起きているのか。


誰が叫んでいるのか。


ラーには分からない。


ただ、そこには確かに、分かり合おうとする者たちと、それを拒絶する者たちがいた。


そして。


そんな混沌とした記憶の中に、不意にひとつの声が響いた。


『……ラー』


優しく、穏やかな声だった。


先ほどまでの怒号とはまるで違う。


その声を聞いた瞬間、記憶の景色が止まった。


『君は優しい』


ラーの目の前に巨大な龍の姿が浮かび上がる。


その姿は、あまりにも大きかった。


記憶の中だというのに、今にも押し潰されそうなほどの威圧感がある。


龍は、静かにラーを見つめていた。


まるで、ラーの心の奥底まで知っているかのように。


『君は……優しいんだ』


その言葉を最後に、龍の姿がぼやけていく。


輪郭が崩れ、光景が遠ざかる。


そして、記憶は再び闇に沈んだ。


 ◇


最後に、ひとりの男が現れた。


無精髭を生やし、だらしなく立つ大男。


その表情には恐怖も、敬意も、微塵もない。


ただ、目の前の相手を挑発するように口元を歪めていた。


『かかってこい。ゴミカス』


その男の名は――。


ダラー・オブ・ロイヤル。


ラーの記憶の中でダラーは不敵に笑っていた。


 ◇




「…………」


静寂。


ラーは、ゆっくりと目を開いた。


鋭い眼光が、薄暗い部屋の中を射抜く。


しばらくの間、何も言わなかった。


ただ先ほどまでの記憶を頭の中で反芻していた


オーグス。


巨大な龍。


そして、ダラー。


それぞれが何を意味するのか。


今のラーが、何を思っているのか。


その答えを知る者はこの部屋には誰もいない。



「…………クソカスめが」


吐き捨てるような、低い声。


静かな怒りが、その言葉に滲んでいた。


ラーは立ち上がった。


三メートルの巨体が、ゆっくりと起き上がる。




その背中には、広範囲にわたる大きな火傷の跡が刻まれていた。


皮膚は無残に焼け爛れ、古傷となった痕跡が、背中一面に広がっている。


まるで、過去に受けた凄まじい一撃を、今もなお身体に刻みつけているかのようだった。



ラーは何も語らない。


ただ、静かに歩き出した。


その背中に刻まれた傷だけが、彼の知られざる過去を物語っていた。








この話は書いてて楽しかったです。


ただやらかしたって思いました。


意味わかんないですもん。

知らんやつ出てきたし

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