98.報告書
「………………」
「………………」
静寂が、戦場を包み込んでいた。
先ほどまで響き渡っていた爆音も、銃声も、何もかもが嘘のように消え去っている。
ラクは、荒い呼吸を繰り返しながら、ゆっくりと視線を落とした。
そこには――
「………………」
完全に息の根を失った、クロスの姿があった。
もう、動かない。
あれほどまでに圧倒的だった時の竜王は、今やただ静かに横たわっている。
「……ああ」
ラクは小さく声を漏らすと、その場にゆっくりと腰を下ろした。
全身から力が抜けていく。
張り詰めていた緊張が解けた途端、今まで押し殺していた疲労と痛みが、一気に押し寄せてきた。
それでも。
ラクは、顔を上げた。
そして、少し離れた場所にいるイフへと視線を向ける。
「………………」
声はかけない。
ただ、静かに耳を澄ませた。
意識を集中させ、雑音の消えた戦場の中から、たったひとつの音を探す。
――ドクン。
――ドクン。
微かに聞こえてくる、心臓の鼓動。
「………………」
ラクは目を伏せたまま、その音に耳を傾け続けた。
ドクン、ドクン。
規則正しく刻まれる、その音。
生きている。
イフは、まだ生きている。
「……ははっ」
ラクの口元が、わずかに緩んだ。
張り詰めていた表情が、ほんの少しだけ和らぐ。
そして、力の抜けた声で、イフに話しかけた。
「……勝ったぞ?」
一拍。
「…………イフ」
その声は、静かな戦場に溶けていった。
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竜征軍 作戦報告書
作戦名:時の竜王討伐作戦
作戦目的: 時の竜王およびその配下の排除。奴隷化された地域の解放。
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1. 作戦概要
人間を支配し、各地に奴隷国を築いていた時の竜王に対し、竜征軍は大規模な討伐作戦を実施した。
敵勢力は多数の部下を擁しており、作戦遂行にあたっては激しい戦闘が予想された。
竜征軍は各隊員を投入し、敵勢力との交戦を開始した。
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2. 戦闘結果
嵐の竜王討伐戦
第一部隊長サブ・ストレートが圧倒的な戦闘能力を発揮。激戦の末、嵐の竜王を撃破した。
時の竜王討伐戦
隊員ラク・ヴィリーブが時の竜王と交戦。時間を操る能力を持つ敵との死闘の末、これを撃破した。
以上をもって、両竜王の討伐を完了した。
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3. 被害状況
作戦参加人数:121名
負傷者:104名
死亡者:0名
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4. 総括
本作戦では多数の隊員が負傷したものの、死亡者を出すことなく、敵の主要戦力を排除することに成功した。
これにより、竜征軍は作戦目標を達成。
長きにわたり人間を苦しめてきた竜王の支配に、大きな打撃を与えた。
作戦結果:成功。
――人間の勝利である。




