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コミカライズ決定【5位】ヴェリタスの最終定理2 ナラティブ・ヴェリタス  作者: Wan Liyue
君の命を奪う者

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第2話:君の命を奪う者(2)

それから数日後。

王都の夜空が、けたたましい警鐘によって引き裂かれた。

しかし、その音色はどこか間の抜けたリズムで、まるで祭りの開幕を告げるファンファーレのようにも聞こえた。


「諸君! 真夜中にお騒がせして申し訳ない!」


王宮の最も高い尖塔。

巨大な満月を背負い、一人の少年が立っていた。

名はレオ。年齢は14歳ほど。継ぎ接ぎだらけのボロ布をマントのように羽織っているが、その瞳は夜空の星々よりもギラギラと、生命力に満ちて輝いていた。

彼の手には、王家の至宝であり、国の絶対防衛結界の核となる伝説の宝石――『星の雫』が握られている。


「このお宝は、僕がいただいた!王様の倉庫で埃をかぶらせておくより、僕の命のために使った方が有意義だろ!?」


「賊だ!囲め!」


地上では衛兵たちが蟻のように湧き出し、怒号を上げている。

だが、レオは笑うと、空中へ身を投げた。

彼は、屋根から屋根へと軽やかに跳躍した。


「ハハハ!遅い遅い!人生は短いんだ!悩んでる暇なんてないぞ!」


その姿は、あまりにも鮮やかで、あまりにも楽しそうだった。


「ずいぶん派手にやってるじゃないの」


路地裏の影から、ナラが顔を出した。

彼女は鉄扇を片手に、屋根の上を跳ねる少年を見上げた。


「あの身のこなし、ただのコソ泥じゃないわね。まるで世界そのものをアスレチックだと思ってるみたい」


その時だった。

ナラの横で、突如として空間が歪み、爆発音が響いた。

瓦礫と砂埃が舞い上がる中、白衣の女が空中に「出現」した。

エラーラだ。

彼女は今、身一つで、宙に浮いていた。


「久しぶりに『反重力飛行術式』を起動したが、座標計算が3メートルずれたな!壁を一枚粉砕してしまったが、まあ誤差の範囲だ!」


エラーラは、目を見開き、全身から青白い魔力の火花を放ちながら、……空中でジタバタと手足を動かしている。


「ナラ君!追うぞ!あの少年と、『星の雫』が共鳴している!これは世紀の大実験が見られるチャンスだぞ!」


「ちょっ、待ちなさいよ! その飛び方、街が壊れるわよ!」


エラーラは足元の空気を爆発させ、ロケットのように加速した。

ナラもまた、苦笑しながら走り出した。


「うわっ!?空飛ぶ人間!?」


屋根の上を疾走するレオは、背後から迫るエラーラを見て目を丸くした。


「少年!止まりたまえ!私は君を観察したいだけだ!」


「お断りだ!僕の身体は今夜、最高に忙しいんだよ!」


レオは煙突を蹴り、路地裏へ飛び込んだ。

衛兵たちの放つ魔法弾が花火のように炸裂する中、レオとエラーラ、そして地上を駆けるナラは、王都全体を舞台にしたアクロバットショーを繰り広げた。


ナラは先回りし、鉄扇を開いてレオの着地点を塞いだ。

レオは空中で体勢を変え、給水塔の上に着地した。

行き止まりだ。下からは衛兵隊が包囲網を縮め、正面にはナラが、上空にはバチバチと放電するエラーラが滞空している。


「……ねえ、少年」


ナラは、レオを見据えた。


「それを盗んでどうする気?金に変えて遊ぶの?」


レオは、『星の雫』を大切そうに胸に抱いた。

その宝石は、少年の鼓動に合わせて青白く脈動していた。


「遊ぶさ。遊ぶために必要なんだ」


レオは、自分の腕を捲り上げた。

そこには、どす黒い文様が、肌の下にびっしりと浮かんでいた。

『死に至る呪い』だ。余命はあと一週間もないだろう。


「僕はね、お姉さん。死ぬのが怖いんじゃない。『楽しくないまま終わる』のが怖いんだ」


レオは、切実な、しかし底抜けに明るい笑顔を見せた。


「あと一週間で、僕はベッドの上で腐って死ぬ。そんなのつまらないだろ?だから、この『あらゆる呪いを解く秘宝』を盗んだ。呪いをといて、体を治して、走り回って、美味いもん食って、恋をして、バカ騒ぎをして……『ああ、生きててよかった!』って笑いながら死にたいんだよ!」


「……治すため?」


「この石は、体内に取り込んで融合させないと効果がない。一度取り込んだら、二度と取り出せない」


ナラは息を呑んだ。

レオは、躊躇なく『星の雫』を胸に押し当てた。

宝石が砕け散り、青い粒子となって少年の体内へ吸い込まれていく。

光が弾けた。

レオの全身を覆っていた黒い痣が、光に焼かれるように消滅していく。

宝石は完全に消滅し、少年の細胞の一つ一つと同化した。


「……治った!もう、苦しくない!」


レオは、給水塔の上で高く跳躍した。


「僕は生きてる!これから何だってできるんだ!」


それは、世界で一番純粋な「生の歓喜」だった。

倉庫に眠っていた冷たい石ころが永遠に失われ、代わりに一人の少年の温かい「未来」が誕生した瞬間だった。


「確保。」


魔導迷彩で姿を隠していた騎士団長ゼイン率いる精鋭部隊が、一斉にレオを取り押さえた。

レオは、抵抗しなかった。


・・・・・・・・・・


翌日。緊急の「特別法廷」が開かれた。

量刑判断は不要。

論点はただ一つ。


「国宝を破壊し、国家の防衛力を削いだ大罪人レオを、『いつ』死刑にするか」


検察官として立ったのは、騎士団長ゼインだった。


「被告人レオは、国宝『星の雫』を窃盗し、あろうことか自身の肉体と同化させ、消滅させた。宝石はもはや存在しない。これは単なる窃盗ではない。王都の結界維持装置を破壊したに等しい、国家転覆罪である。今、この場で処刑すべきだ」


「異議あり!」


弁護人席のナラが立ち上がった。


「石は……もうないのよ!彼を殺したって、石は戻ってこない!だったら、彼の命を尊重すべきよ!取り返せないなら、彼の命のためにあげるべきよ!それが一番合理的でしょ!?」


会場が静まり返った。

そして、失笑が漏れた。

ゼインは、哀れむような目でナラティブを見た。


「呆れたな。ナラティブ・ヴェリタス。さすが、アナキスト。さすが、エラーラ・ヴェリタスの娘。貴様の論理は、テロリストそのものだ!」


ゼクスは冷徹に告げた。


「『取り返せないならあげてしまえ』だと?ならば聞こう。他国が我が国の領土を武力で占拠し、そこに市民を住まわせ、完全に同化したらどうする?『領土を明け渡せ』とでも言うのか?」


「そ、それは……!」


「同じことだ。もしそれを認めれば、奪った者勝ちになる。

既成事実を作れば罪が許されることになる。それは国家の主権放棄であり、秩序の自殺だ」


ナラは言葉に詰まった。

エラーラもまた、苦い顔で沈黙していた。


「元に戻せない」という事実は、レオを助ける理由にはならなかった。

むしろ、取り返しがつかないからこそ、国家はその「損害」に見合うだけの「代償」――すなわち命を要求しているのだ。


「求刑は死刑。執行は『いま』だ!」


ゼクスは断言した。


「『星の雫』の喪失により、王都の結界出力は低下する。これを補填するために、国民には増税の負担が課されるだろう。一人の少年が私利私欲に走った結果、数万人の市民が苦しむことになる。彼を生かしておけば、模倣犯が出る。無期懲役はありえない。見せしめとして、彼は直ちに、最も残忍な方法で処刑されねばならない」


傍聴席の市民たちからも、罵声が飛んだ。

エラーラが進み出た。


「王よ。物理学的な『損得』の話をするなら、彼を殺しても損害は埋まらない。むしろ、彼という稀有なサンプルを研究し、新たな魔導技術に役立てる方が有益ではないか?一旦無期懲役とし、私の研究室で……」


国王が、遮った。


「エラーラ女史?先日の茶番の続きとでもお思いか?これは『尊厳』の問題だ。支配階級でない者が、国宝を奪い、国家に居座り、国民に負担を強いて、のうのうと生きている。その事実こそが、世界にとって最大の毒なのだ。」


王は、レオを見下ろした。


「少年よ。貴様は私利私欲のために、他者を踏みにじった。」


レオは、静かに聞いていた。

彼は、自分が何をしたか、正確に理解していた。


「おじさんたちの言うことはもっともだ。僕はみん……」


「国王が命ずる。『いま』、この少年を皆の前で最大限苦しめて笑いものにして、引き裂いて嬲り殺し、魂も凌辱して、二度と蘇ることがないように地獄へ突き落とせ。すべての民衆のために!」


国王は、反逆者レオの話を聞かなかった。

テロリストの人情噺を聞く国王など、あってはならない。


レオは連行された。

牢獄ではない。王宮の地下にある「魔導研究施設」へ。

彼は椅子に座らされることもなく、解体台の上に拘束された。

全裸にされ、手足には太いボルトが打ち込まれ、口には猿轡を噛ませられた。

白衣の研究員たちが、レオの体に無数の管を突き刺す。

『星の雫』は粒子となって彼の全身に散らばっている。

それを取り出すことは不可能だ。

だが、国としては「少しでも魔力を回収」しなければならない。


「ギャァァァァァァッ!!!」


電流が流されるたびに、レオの体から青い光が絞り出される。

激痛。細胞が焼ける臭い。

治ったばかりの健康な肉体が、急速に干からび、ただれ、崩れていく。


「や、やめて……!返すから!石、返すからぁ!許してぇ……!」


レオは泣き叫んだ。

恥も外聞もなく命乞いをした。

ガラス越しにその様子を見ていたナラは、吐き気を催して口元を覆った。


「酷すぎる。あの子はただ、生きたかっただけなのに……」


エラーラは、モニターに映る数値を指差した。


「彼が石を吸収したことで、結界の維持期間はあと3日となった。このままでは、結界が消え、魔獣が雪崩れ込んでくる。市民100,000人が虐殺される未来だ。国としては、彼を生きたまま搾り取り、1ミリグラムでも多くマナを回収して、結界を延命させるしかない」


エラーラは、台の上で痙攣するレオを見た。


「彼は、『他者の命』を踏み台にして『自分の命』を掴んだ。他者を踏みにじった者は、他者に踏みにじられる覚悟をしなければならない。……それが、因果だ」


王宮前広場は、祝祭の熱気に包まれていた。

広場を埋め尽くす10万人の市民。

彼らの視線の先にあるのは、ステージのような高い処刑台。

そこに、全裸で、手足を太い鎖で繋がれた少年、レオがいた。

かつて屋根の上を飛び回り、「人生は楽しんだもん勝ちだ」と嘯いた英雄気取りの少年。

その面影はもうない。

彼は今、自分が盗んだ未来の重さに押しつぶされ、恐怖で震える、ただの「肉」だった。


「いやだ……いやだぁ……!誰か助けて……!ママぁ……ママぁ……!」


レオの泣き叫ぶ声が、魔導拡声器を通じて広場中に響き渡る。

その無様な命乞いを聞いて、群衆はドッと沸いた。

彼らは、楽しんでいた。

自分たちの生活を脅かした害虫が、無様に踏み潰される光景を。

それは正義の執行であり、同時に最高の娯楽だった。

広場の隅で、ナラは震えていた。


「お母様、見てられない。こんな野蛮な儀式、見る価値もないわ!」


だが、エラーラは動かなかった。

その青い瞳は、冷徹な科学者の光を宿し、処刑台を直視していた。


「いいや、ナラ君。見届ける義務がある。これは『儀式』ではない。これは『免疫反応』だ。社会という巨大な生命体が、異物を排除し、生存しようとする生理現象なのだよ」


処刑台の上には、断頭台のような慈悲深い装置はなかった。

あるのは、「魔導解体機」。

回転する魔力の刃と、吸引パイプが組み合わさった、人間を効率よく「資源」に還元するための機械だ。

騎士団長ゼクスがスイッチを入れた。

不快な高周波音と共に、解体機の刃が回転を始める。


「ひぃっ!いやだ!来ないで!ごめんなさい!許してぇぇぇぇッ!」


レオが狂ったように暴れる。鎖がジャラジャラと鳴る。

だが、機械は止まらない。

最初の刃が、レオの左足の指先に触れた。


「ギャアアアアアアアアアッ!!!」


絶叫。

鮮血が噴き出す。

指が一本ずつ、丁寧に、ゆっくりと削ぎ落とされていく。

一気に切断するのではない。

粒子を逃さないよう、薄く、薄く、スライスしていくのだ。


「うおおおおおおッ!!!」


群衆が歓声を上げた。

血しぶきが舞うたびに、拍手が起きる。

まるでサーカスの曲芸が決まったかのような盛り上がりだ。


「痛い!痛い痛い痛い痛いッ!死ぬ! 死んじゃう! 助けてぇぇぇッ!」


レオは泡を吹き、白目を剥いて痙攣した。

だが、回復魔法をかけた医師が横に控えており、彼を「死なせない」。

気絶しようとすれば覚醒させ、ショック死しそうになれば強引に心臓を動かす。

生きたまま、痛みを感じさせ続けながら、削り取る。

それが、彼に課せられた「責任」だった。

足首がなくなり、脛がなくなり、膝が砕かれる。

レオの声は、もう人間のものとは思えなかった。

壊れた笛のような、ヒューヒューという音が漏れるだけだ。

ナラは、目を見開いたまま凍りついていた。

怒りが、王都への憎悪が、沸騰していた。


その時だった。

ナラの視界に、最前列で処刑を見ている一人の女性が入った。

ボロボロの服を着た、レオの母親だった。

彼女は、レオに向かって石を投げ、泣きながら叫んでいた。


「死ね!苦しんで死ね!あんたのせいで……あんたが結界を壊したせいで、うちは商売ができなくなったんだ!来月飢え死にするかもしれないんだ!あんたが!あんたが自分の楽しみのために、私たちの未来を盗んだんだ!」


母親の顔は、まぎれもなく、人間だった。

必死に、人間として、人間の「命」を生きようとする、人間の顔だった。

別の場所では、老人が杖を振り回していた。


「わしの孫は、徴兵される!結界が弱まったから、前線に行かされる!あいつが!あいつが盗まなければ、孫は戦争に行かずに済むのに!殺せ!八つ裂きにしろ!」


ナラティブは、周囲を見渡した。

若者。職人。役者。老婆。警官。乞食。医者。

彼らは皆、「当事者」であり、「被害者」だった。

レオは言った。『僕の命のために使った方が有意義だろ?』と。

彼は、自分一人の「快楽」と皆の「命」を天秤にかけ、100,000人の命を「無価値」と断じて踏み潰し、自分のための「消耗品」にしたのだ。


(……ああ。そうか!)


ナラの中で、何かが音を立てて崩れ落ち、組み替わった。


(……レオは、この人たちを殺そうとしたんだ!)


直接手を下していなくとも。

彼は、100,000人全員にナイフを突きつけたのだ。

だから今、100,000人全員からナイフを突き返されている。

「自分たちの命を理不尽な暴力で奪おうとした侵略者への、正当な反撃」だった。

レオの下半身は、もうなかった。

赤い肉塊と化した断面から、青白い粒子――『星の雫』の成分が抽出され、パイプを通って回収されていく。


「あ……あ……」


レオは、まだ生きていた。

焦点の合わない目で、空を見ていた。

そこに、かつての輝きはない。後悔と、激痛と、絶望だけが張り付いている。


「……ねえ、お母様」


ナラの声は、震えていなかった。

乾いていた。


「あたし、間違ってた」


ナラは、処刑台を見据えた。


「この王都は、正常だわ」


エラーラが、静かにナラを見た。


「なぜそう思う?」


「だって……そうでしょう?」


ナラは、群衆を指差した。


「誰もが、毎日必死に生きて、毎日必死に『楽しみ』を守ってる。それを……ポッと出のガキが踏み荒らしたら……。そりゃあ、怒るわよ」


ナラは、ずたずたに切り刻まれるレオを見た。

もう、可哀想だとは思えなかった。


「私利私欲に走ったら、たとえ余命わずかな子供であろうと、排除される。……残酷だけど、『正しい』ことだわ。そうしなきゃ、真面目に生きてる人たちが報われないもの」


もし、レオが許されたらどうなる?

「可哀想だから」と、国宝を盗んで100,000人の命を危険に晒した子供が、のうのうと生きていたら?

真面目に税金を払っているパン屋は?

徴兵された孫を持つ老人は?

彼らの我慢は? 彼らの犠牲は?

全て、バカにされたことになる。

社会の秩序とは、けして、悪人を処刑するための理由ではない。

善人を守るために存在するのだ。

レオは、それを決壊させようとした。

だから、彼は、憎悪の中に叩き込まれた。

最後の刃が、レオの胴体を切り裂いた。

心臓が露わになり、そこから強烈な光が溢れ出す。


「……ッ!」


レオの口から、最後の空気が漏れた。

言葉にはならなかった。

ただの、生物が機能を停止する音だった。

心臓は魔導炉へ放り込まれ、レオの残りの肉体はミンチとなって、廃棄口へと流された。

同時に、王宮の尖塔が青く輝き、王都を覆う結界が、奇跡的に修復された。


地鳴りのような歓声。

人々は抱き合い、涙を流して喜んだ。

その笑顔は、あまりにも晴れやかで、美しかった。

圧倒的な幸福の光景。

広場の熱狂は、夜まで続いた。

ナラとエラーラは、誰もいなくなった処刑台の前に立っていた。

そこには、わずかな血痕と、消毒液の匂いだけが残っていた。


「……スッキリしたか、ナラ君」


エラーラが問うた。


「ええ。とても!」


ナラは、鉄扇を開き、夜風に当てた。

その表情には、迷いも、感傷もなかった。

あるのは、冷徹なまでの「理解」だけ。


「レオは、自分が『主人公』だと思ってた。世界は自分中心に回っていて、自分の『やりたいこと』は、他人の事情よりも優先されると信じてた」


ナラは、冷ややかに笑った。


「でも、違った。……これは完璧な結末よ」


レオは、ナラたちが思うよりもずっと、罪深い存在だったのだ。

ナラは背を向けた。


「少年ひとりをなぶり殺す社会は嫌いだわ。だけど、他人のものを奪ったら……こうやって殺される覚悟を持たなきゃいけない」


エラーラは頷いた。


「社会契約説の実証実験としては、極めて教育的な事例だったな」


二人は、輝きを取り戻した王都の夜景へと消えていった。

その街の灯り一つ一つが、誰かの生活であり、誰かの命だ。

レオ一人の命をすり潰して、100,000の灯りが守られた。

それは残酷だが、否定しようのない「正解」だった。

王都は今日も、平和だ。

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