第八十六話 懺悔の時間
「未来はさ……俺のこと、どう思ってる?」
突然の問いかけに、未来は驚いたように彬を見つめた。
「記憶がなくなって、大学時代までの記憶しかないのに……苦手だった俺と付き合ってるって聞いて、驚いたと思うんだ。」
彬は少しだけ笑う。
「記憶をなくしてから、もうすぐ一ヶ月くらいになるのかな?」
「……少しは、俺のこと好きになってくれたりした?」
「……急に、どうしたの?」
未来は戸惑いながら、彬の顔を見つめる。
彬はしばらく黙ったあと、ゆっくりと首を横に振った。
「俺たち……付き合ったことなんて、なかったんだよ。」
「……え?」
未来の目が、大きく見開かれる。
「ずっと俺の一方通行だった。」
「未来が幸せなら、それでいいって思ってた。」
「こんなふうに、自分の気持ちを伝える機会なんて……もうないと思ってた。」
彬は、未来から視線を逸らさずに続けた。
「……あの日までは。」
「え……? どういうこと?」
未来は、思わず身を乗り出す。
「こんな時に、変な冗談言わないでよ!」
「……。」
「だって、真二先輩が……」
未来は混乱したように言葉を続ける。
「『お前は黒沼と付き合ってる』って言ったよね?」
彬は何も答えない。
その沈黙が、未来の胸をざわつかせた。
「……違うの?」
彬は、ゆっくりと息を吐いた。
「……違う。」
その一言で、未来の表情が凍りついた。
ここまで読んで下さり、ありがとうございます。
とうとう、本当の事を伝えましたね。
未来の混乱は、今後どのように展開を進めていくのか
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