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曖昧な記憶の、その隣で  作者: はる乃


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第四十五話 変身

奈緒は最後にドライヤーで髪を整え、鏡をくるりと未来へ向けた。


「はい、完成。」


未来は鏡に映る自分を見て、思わず息を呑む。


「……え。」


背中の真ん中あたりまであった髪は、顎のラインに沿う柔らかなボブへと変わっていた。


「これ……私?」


奈緒は満足そうに頷く。


「うん。」


「思った通り。」


「すごく似合ってる。」


未来は何度も横を向いたり、前髪をそっと触ったりしながら照れ笑いを浮かべる。


「こんなに短くしたの、初めてです。」


「なんだか別人みたい。」


「でも……。」


「ちょっと嬉しいかも。」


奈緒はその笑顔を見て、満足そうに微笑んだ。


「その顔が見たかった。」


「未来ちゃん、自分の素材の活かし方を知らないだけ。」


「十分美人なんだから、もっと自信を持ちなさい。」


未来は照れくさそうに笑う。


「ありがとうございます。」


奈緒は小さく肩をすくめた。


「これはもう……。」


「彬、今以上に過保護になりそうだなぁ。」


未来は首をかしげる。


「え?」


奈緒はいたずらっぽく笑う。


「ううん。」


「独り言。」


(未来ちゃんを見た瞬間の彬の顔、絶対固まる。)


(あんなに昔から好きだったんだもん。)


(この姿を見たら、また惚れ直しちゃうんじゃない?)


奈緒はくすっと笑いながら入口へ目を向ける。


「あ。」


「噂をすれば。」


店のドアが開き、コーヒーを飲み終えた彬と健太が店の中へ入ってきた。

美容部員さんにメイクをしてもらい、奈緒の手でばっさりボブへ。


大学時代から「可愛い」と思い続けていた未来が、

さらに磨かれた姿に!


果たして彬は、平静を装っていられるのでしょうか。


そんな彬の姿も楽しみですね!

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