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曖昧な記憶の、その隣で  作者: はる乃


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第二十五話 矛盾だらけの愛

電話を繋ぐと、すぐに真二の声が響いた。


『彬。』


「何だ。」


少し間が空く。


『……どうして未来がお前の家にいるんだよ。』


彬は眉を寄せる。


「怪我してるのを忘れたのか?」


「今のあいつを一人にできるのか。」


電話の向こうで、真二が息を飲む。


『……分かってる。』


『分かってるけど……。』


『恋人のふりとはいえ、泊めるのはどうなんだ。』


彬は呆れたように息を吐く。


「お前が頼んだんだろ。」


『それは分かってる。』


『でも……男と女が一つ屋根の下だぞ。』


「信用してないのか。」


『そういう意味じゃない。』


真二は少し言葉を濁す。


『未来は……俺の大切な人だ。』


『お前に任せてるのは、記憶が戻るまでの間だけだ。』


その言葉に、彬の表情が変わる。


「……。」


『記憶が戻れば、全部元に戻る。』


『だから、それまで余計なことをするな。』


彬は静かに息を吐いた。


「お前。」


「本当に何も分かってないな。」


『何がだよ。』


「未来が失ったのは、記憶だけじゃない。」


「お前と過ごした二年間もだ。」


真二は黙り込む。


「そんなに大切で心配なら。」


「お前が迎えに来てやれよ。」


沈黙が流れる。


やがて真二が低く呟いた。


『……あぁ。必ず迎えに行く。』


『でも、まだその時じゃない。』


彬は冷たい声で答える。


「記憶が戻って、一番傷つくのは誰だと思う。」


「未来だ。」


電話を切る。


彬はしばらく夜空を見上げた。


「……。」


「俺にどうしろって言うんだよ……。」


小さく呟く。


誰に向けた言葉なのか。


自分でも分からなかった。

人として真二の言動が信じられませんが。

彬は、この先。

どうしていくのでしょう。


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