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曖昧な記憶の、その隣で  作者: はる乃


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第十四話 また好きになれるかな?

ドアが閉まる。


静かな病室。


未来は少し困ったように笑った。


「何だか……。」


「気まずいですね。」


彬は壁にもたれたまま、小さく肩をすくめる。


「そうか?」


「だって、恋人なのに。」


未来は苦笑する。


「何も思い出せないんです。」


「ごめんなさい。」


彬は首を横に振った。


「謝るな。」


「悪いのは、お前じゃない。」


未来は少し安心したように微笑む。


「黒沼先輩って……。」


「大学の頃より優しくなりました?」


彬は思わず吹き出しそうになる。


「気のせいだ。」


「そうですか?」


未来は首をかしげる。


「大学の頃は、会うたびに嫌味ばっかり言われてた気がするんですけど。」


「今は……。」


「そんな怖い人には見えません。」


彬は少しだけ目を伏せる。


(お前が覚えてないだけだ。)


(俺は今も、嫌な男だ。)


心の中でそう呟く。


未来はベッドの上で膝を抱えた。


「黒沼先輩。」


「私。」


「ちゃんと、もう一度あなたを好きになれるかな?」


その一言に、


彬の時間が止まる。


未来は照れくさそうに笑う。


「恋人なのに、何も覚えてないなんて失礼ですもんね。」


「だから。」


「また最初から、よろしくお願いします。」


そう言って、小さく頭を下げた。


彬はしばらく黙っていた。


やがて、


苦笑しながら頭をかいた。


「……そんなこと。」


「俺に言うな。」


「え?」


「好きになるかどうかは、お前が決めることだ。」


「無理に思い出す必要も、無理に好きになる必要もない。」


未来は目を丸くする。


彬は少し照れくさそうに視線を逸らした。


「今のお前が、今のお前の気持ちで決めればいい。」

この後も、展開が進んでいくので。

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宜しくお願いします。

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