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蟻塚……中層

6月から土日2話投稿します。

時間は9時と12時です。

 偶発的な戦闘はあるもののセバスチャンやデュラハンなどが対処し、俺や翔は後を付いて行くだけである。


 蟻に乗っているから疲れもしない。


「そういえば外に出ていく蟻には合わないですね」


 翔が食べ物を片手に話しかけてきた。


「蟻に聞いたがルートが違うらしいぞ。そっちのルートには孵化が早い蟻の卵がビッチリある部屋がたくさんあって逆走してくる者に容赦なく襲い掛かるらしい」

「怖いルートですね」


 本当にな。


 時計を見ると探索から10時間が経過している。


 そろそろ中層に入ったぐらいだろう。


 壁の色が徐々に赤黒くなってきている。

 まぁ変化と言ったらそのぐらいになるんだけどな。


「ん? この奥に広い空間がありますね」

「敵は?」

「……一体です」


 蟻から下りて徒歩で先に進む。

 全員が戦闘態勢に入り油断ない。


 広間に差し掛かり、中を覗き見る。


「中ボスか」

「門番とも言いますね」


 広場の中央には巨大な蟻が佇んでいた。


 離れた位置から鑑定を使う。


【ジャイアントキングアント】

・嬢王を守護する蟻の1匹で多くの仲間を指揮しながら戦う。

・物理に対して高い防御を誇り、魔法も土、水、風、火に耐性がある。

・嬢王に忠実な為、どのような誘惑にも屈しない。


 仲間にして上の連中の助けにしようと思ったのにテイマーが効かないようだ。


 俺は鑑定で得た情報を全員に教えた。


「ではここは俺の出番ですかね」


 そう言って翔は一人で行ってしまった。


「勇者の誓いを発動」


 そう口にすると翔の身体からオーラが爆発的に漏れ出す。


「キシャーーーー!!」


 ジャイアントキングアントが威嚇する。

 だが、翔はどこ吹く風のように受け流して足を進ませる。


「う~ん。オーラが拙いです」

「最低限留めなければいけませんね」


 観戦しているセバスチャンとデュラハンが翔に対してダメ出しを始めた。


「身体の中でオーラを高速循環させてすべての出力を上げるってのは良い考えなんですけど、意識し過ぎて逆に振り回せていますね」

「レベルが上がりやすい弊害ですかね。彼の技には相手を殺す強い意志が見えません」


 散々だな。


 後で伝えてやろう。


 翔は蟻と数メートルの位置で止まった。

 そして人差し指を蟻に向けて口を開ける。


「ライトニング」


 劈く雷鳴と破裂音が混ざり、翔の指から黄色い閃光が伸びた。

 視界には放たれた残像の光しか見えないが、確実に蟻の頭を貫通していた。


 頭部に煙が燻る蟻はその巨体を地面に伏せた。


「う~ん。20点ですね」

「厳しいですね。25点です」


 お前ら二人とも厳しいよ。


「全然ダメでしたね。あそこまで近づかないと倒せないとは」

「十分凄いと思うが、二人は散々言ってたぞ」

「あははは。そりゃそうですよ。未完成なスキルですから」


 全然疲れていない感じだな。


「進むぞ」

「はい」


 蟻をしまって先に進む。


 道の幅が今までよりも大きくなった。

 剣を振るほどはないが、2列になって進むことは出来そうだ。


 さっきのでかい蟻の大きさより進む道は狭い。

 どうやってあの広場まで来たんだ?


 そんなことを考えていると翔が声を荒げた。


「敵襲! 数は夥しい数です!」


 すぐさま敵を迎撃する為に隊列を組む。


「ここまで来て離脱は避けたいな」


 蟻を仲間にして移動用に置いているが、上層以外は別の蟻に殺されてしまっている。

 穴を掘って隠しても同様で引き返したら最初からになってしまうのだ。


「しょうがない。気合を入れて行くぞ!」

「「「はい!」」」


 蟻を確認次第鑑定をする。


【ポイズンアント】

・体内に毒を調合し口や尻針で噴射・注入する。

・毒は空気に触れると気化し、空気中に毒が広がる。

・獰猛で生きていれば胴が切り離されていても敵に向かう。


「敵名、ポイズンアント。口や尻針で毒を打ち込んでくるぞ。毒は空気に触れると気化する。気を付けろよ」


 セバスチャンは低レベルの毒は効かない。

 デュラハンもアンデットなので毒は無効。


 問題は俺と翔だが、翔はスキルで毒を無効化できる。

 俺は無理だ。


 あれ?

 気を付けるのって俺だけか?


 解毒薬を飲んでおく。

 飲んでおくことでしばらくの間は毒を無効化してくれる。


「まっず」


 この味が嫌いだから飲みたくないんだ。

 苦味を凝縮して酸味と生臭さを混ぜたそんな味だ。


 好きなヤツは頭がおかしい。


 戦闘はすでに始まっていて、前衛はセバスチャンとデュラハン。

 中衛は翔で後衛は俺だ。


 俺の仕事は倒した敵をすぐさまアイテムボックスに収納し、戦闘の邪魔にならないようにすることだ。

 後方の監視もしている。


 前衛の2人がバサバサ殺して行くから収納が大変だ。


 翔は打ち漏らした敵を倒し、息がある敵に止めを刺す。


 俺が素早く収納するので生きてる敵との認識はしやすく、獰猛なこいつらはすぐに止めを刺さないと向かって来るからな。


「うぐっ……」


 鼻に刺激臭がした。

 これが蟻の毒か。


 解毒薬を飲んでいなかったら肺とかヤバいだろうな。


 肌が少しヒリヒリする。

 酸系の毒か?


 気配を感じて後ろを見た。


「後ろに敵襲!」


 向かってきたのは別の蟻だった。


【ボムアント】

・体内にガスを貯めて相手に近づくと爆発する。

・火属性の攻撃を与えても爆発する。

・強い衝撃を与えても爆発する。


 自爆用の魔物だと!?


 蟻は容赦なく爆発した。




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