夜は深ける
※ 5/28 内容を変更しました。
6月から土日2話投稿します。
時間は9時と12時です。
夜、隊長さんに呼ばれて彼らの部屋に向かった。
「お手数をおかけします」
「問題ない。それで話というのは?」
入室して座るやいなや本題に入った。
「仲間になるという話を受け入れようかと思います」
「それは良かった」
全員で話し合ったのだろう。
未だに俺のことは信用していないが、仲間には加わるって感じか。
「では改めて自己紹介をしましょう」
「お名前は伺ったと思うのですが?」
副隊長さんが頭を傾げながら話す。
「名前ではなく、職業です」
「職業ですか」
納得って顔をしている。
分かりやすい人だな。
「俺の職業は【魔物を導く者】と言います。魔物使いをレベル100まで上げることで転職できます」
「れ、レベル100……」
彼らは隊長さんがレベル40ぐらいで他は30前後である。
レベル100は先の先だと思っているのだろう。
「この職業のおかげで魔物をテイム、仲間にすることが可能です」
「デュラハンのようにですか?」
「えぇ。デュラハンだけではなく、セバスチャンや蟻、オークにアンデットも仲間にしています」
「セバスさんは人間では?」
「彼は魔物ですよ」
「そんな……」
あれ?
言ってなかったっけ?
「セバスチャンはバンパイヤです」
「他の方々も……」
「翔や香奈は人間ですよ。ただ翔は勇者の職を、香奈は剣聖の職を取っています」
「勇者? 剣聖?」
隊長さんは一人、頭の上に?を浮かべていた。
ゲームとかしなさそうだよな、この人。
細々とした説明をして握手をして彼らを仲間にした。
そしてスマホの紛失を俺に報告し、スマホが何故か現れる。
恒例となったドン引きタイムだ。
深く考えると怖くなってくるのであえて考えないようにしている。
「スマホに【自己管理ツール】というアプリが入っているからそれで職を決めてくれ。君たちはこのチームで動いてもらうから職業は話し合って決めると良いぞ」
「分かりました」
こうして彼らは無事に仲間となった。
彼らは話し合って職を決めたので生産組がいる体育館に武器と防具があるから合わせに行けと言ったら走って行ってしまった。
護衛の香奈が顔を出したので彼らをお願いした。
部屋には俺と隊長さん二人だけだ。
「どうです? お酒でも」
「頂こう」
堅苦しい話は終わりだ。
酒を飲んで親睦を深めよう。
「好きな物をどうぞ」
そう言って机に酒瓶を出した。
「お! ウイスキーがあるじゃないか」
「酒屋さんからパクった奴だな」
氷も出して本格的に酒を飲み始める。
「最初は本当にすまなかった。今思うと何故あんな事をしたのか分からんのだ」
「いろいろと背負っていたんだ。仕方ないさ」
本当に申し訳なさそうだ。
気にしなくていいのに。
「副隊長さん」
「ん? 渡辺がどうかしたのか?」
「隊長さんの彼女か?」
「バ、バカを言うな! 彼女は俺の部下なだけだ」
顔を真っ赤にする隊長さん。
酒が回るのが早い人か?
「彼女はあんたのこと好きそうだけどな」
「昔、とは言っても一月前だが告白されたよ」
「おぉ! ……で?」
「断った」
「なんで!?」
「……俺より良い奴がいるだろ」
うっわ。
俺が香奈に言おうとしたセリフそのままだ。
傍から聞くとこんなにも気持ち悪いとは思いもしなかった。
「こんな世界になったんだ。真剣に考えても良いんじゃないか?」
「……それより香奈って子はお前の女か?」
おっと俺に飛んできたぞ?
「返事待ちさせてる」
「ヘタレ野郎」
「うっせー! 寒いセリフを吐くオッサンよりマシだ!」
「オッサン言うな! 今年で29だぞ」
以外に若いじゃねーか。
「……それより」
「ん?」
「日本を救うって出来るのか? 俺が仲間になるのは日本を救うって言ったからだ」
「まだ何とも言えない。日本にどれだけの人が生き残ってるのか、その中で戦う覚悟があるヤツがどれだけいるかが今後のカギだ」
「あのデュラハンで問題なさそうだがな」
あぁあのポンコツね。
「ボスと1対1で戦うことが出来れば相性次第では勝てるだろうな」
「やっぱり強いなあのデュラハンは」
「だがあいつは蟻塚のボスには勝てないだろうな」
「やはり数か」
「あぁ」
あのポンコツが一人で蟻塚を攻めても返り討ちに合う。
昨日の昼間に一度、蟻塚に入ったらしいが道も複雑で戦闘は多く先に進めないと言っていた。
急にSOSの通話を受けた時はそのまま切ろうかと思った。
「個を活かすのも数が必要なんだ」
「先は長いな」
「あぁ」
酒のつまみも出してこれからって時に武器防具を見に行った連中が戻ってきた。
そして始まった宴会で夜は深けていった。
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