自衛隊
あらすじ・題名を変更しました。
旧題「数こそ力なり!! おかしくなった世界の魔物使い」
それから三日かが経過した。
全員がせわしなく動き続けた三日間ではあったが、武器と防具を一人一つ渡し、それぞれの専用とすることができた。
蟻の進軍は止まることはなく、現在も続いている。
だが、数は減った。
その代わり個の力が上がったのだが武器と防具を充実させることで乗り切った。
こちらも被害がゼロではく、30人ほど死んだ。
敵が複数出現したり挟み撃ち、奇襲、油断。
様々な理由が考えられるが、彼らを手厚く埋葬したあと戦闘の仕方を見直した。
パーティーがそれぞれをカバーして複数の敵が現れても対応、場合によっては逃げること。
夜にも多かった奇襲による攻撃はフォーメンションを作り死角を無くす。
油断は1番難しい。
各班に注意を促している。
そんな感じの三日だった。
そして今は川でバーベキューだ。
日頃の疲れを癒し、肉に野菜に麺と何でもござれだ。
「ホヨハヨハ~。フヨフヨハヨハ~」
「ポンコツ。何言ってるのか分からんし口にモノを入れて喋るな」
頬をリスみたいに膨らませてバカな面をしている。
「んっぐ!。楽しんですか~? 主様~。ヒック」
「おい! 誰だ! こいつに酒を飲ませたのは!」
周囲が笑いに包まれる。
このポンコツはもはや笑いの種だ。
「あるじさま~」
「だぁー! 絡むな! 抱きつくな! 押し付けるな!」
周囲からヒューヒューとはやし立てる。
デュラハンは俺にますます絡む。
「こんの~! ポンコツデュラハンが! 川で頭を冷やせ!」
デュラハンを引っぺがして川に投げた。
身体能力的に片手でぶん投げられる。
「ぎゃ~~~!?」
ザッポン!
いい音がして水しぶきがたつ。
周囲も笑っている。
何で俺もイジられるんだ。
絶対にあのポンコツのせいだ。
「主様」
そんな中、セバスチャンが姿を現した。
今日は休暇を与えたはずなんだがな。
「どうした?」
「人がこちらに向かっています」
「人?」
あれから仲間になった人は増えた。
主に生産職に加わったが、彼らのレベルは低い。
生産職に加わる程度にはレベルを上げたが、外で生きていけるほどの強さもない。
一応、ちゃんと働くようだったらレベルは上げようと思っている。
話がそれてしまった。
なにが言いたいかというと以前よりも人の受け入れは寛容である。
「何人だ?」
「おそらく数名程度です」
よく生き残ってたな。
「どんな奴らだ?」
「おそらく自衛隊でしょうね。自衛隊用ヘリで10分ほどでここに到着するでしょう」
「自衛隊?」
めんどいことにならないと良いな。
「翔、香奈。聞いた通りだ。お前たちは武装を整えろ。他の者たちも装備だけはして武器の携帯はするな」
「「はい」」
俺はアイテムボックスから2人の装備を出した。
「黒井沢さん。装備する必要があるんですか? 自衛隊ですよ」
「味方なら問題はない。敵だと厄介だ。相手は銃を持ってる可能性が高い」
今の俺たちに通用するかどうか知らんけどね。
「なるほど。確かにどうですね」
「すまんがキャンプは一時中止だ。学校の校庭で彼らを受け入れる。撤収の準備を忘れるな」
「はい!」
すぐに撤収の準備に取り掛かる。
まぁ俺のアイテムボックスにぶち込んで終わりだから時間はかからないんだがな。
学校に帰る途中に自衛隊のヘリが頭上を通過した。
そのまま行くかと思ったが、頭上を旋回している。
学校に到着後、校庭の中心にHのマークを描いた。
これで意味は通じるはずだ。
学校を背に彼らを受け入れる。
メンバーは翔と香奈。
他の戦闘組は学校の中に入って生産組にこのことを伝えている。
俺の服装はスーツだ。
出迎えと言えばこれだろう。
しばらくしてヘリが着陸し、中から人が下りてきた。
手には銃を持っている。
俺は鑑定を使って彼らを見た。
レベルはそこまで高くない。
一番高い奴でも40レベルだ。
「ここの責任者は誰だ」
俺が見えんのか? こいつは。
「俺だ。何のようだ」
高圧的な態度で来るのならそれ相応の態度で答えるまでだ。
「おまえが? 弱そうだな。よく生き残っていたものだ」
カッチーン!
俺、コイツ嫌いだ!
「まぁいい。お前たちを保護する。お前たちが持っている武器や食料は一時的に自衛隊が預かる。異存はないな」
そう言って学校の方に足を進める。
「おい、待て。お前らは何なんだ?」
「自衛隊だ。見て分からんのとは頭も悪いのか」
「俺から見たらお前はただの盗人だ」
「俺たちを馬鹿にする気か?」
俺を睨むがまったく怖くない。
蟻の大群の方が怖いな。
「我らの行動を妨害するのがどういう意味になるのか考えろ」
「自衛隊の格好をした盗人だろ? おまえら身分証とか持ってるのか?」
まぁ持ってても偽物って言うけどね。
「話にならん。民間人は我らの言うことを聞けばいいんだ!」
「お前らが話にならない。一方的に搾取されるのを良しとする馬鹿がこの世界にいるわけないだろ」
「痛い目をするぞ」
「バカじゃないのか、お前は」
目の前が真っ暗になる。
ここまで話が通じないなんて。
「こちらには銃がある。それに比べてお前たちの武器はそんなものだ」
翔や香奈の腰には剣と刀が装備されている。
見る者が見ればこれが魔物の素材を使った武器だと分かると思うんだよね。
武器はそんな感じだが、防具はあからさまにファンタジーな装備だ。
こいつらコスプレとでも思っているのか?
「銃を構えろ!」
「ですが、相手は民間人です!」
「黙れ。俺の命令が絶対だ!」
おやおや。
上が無能だと下は苦労をする。
緊張感が高まる校庭で緊張とは真逆の存在が姿を現した。
「主様~。何で置いて行くんですか! 首が取れて流されていちゃって大変だったんですよ! ほら~」
ポンコツデュラハンが到着した。
何であいつはこうも空気を読まんのか。
「ば、化け物だ! あいつに狙いを定めろ!」
「え? 何ですか?」
手に持った頭を傾けて首を傾げた感じを出している。
そんなことは気にする様子もなく、銃口はまっすぐデュラハンに向く。
「撃て!」
校庭に銃声が響くのであった。
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