生産職
あらすじ・題名を変更しました。
旧題「数こそ力なり!! おかしくなった世界の魔物使い」
二人と話を終えた俺は再び体育館にいた。
待機組を招集したのだ。
「現状、お前たちはお荷物だ」
開口一番にキツイ言葉を浴びせた。
だが、これは事実だ。
「今後、戦闘組が力を付けたとしてお前たちはあいつらの言いなりになる未来しかない。俺はよっぽどのことがない限り戦闘組を優遇するつもりだ」
これは確認と俺の意思を伝える為に必要なことだ。
これを伝えないと甘い考えをした奴が何か言い出すだろうから牽制も含んでいる。
「そこで提案なんだが、お前たちの中から生産職になって貢献する者はいるか?」
レベルアップや職業などは戦闘組から聞いているだろう。
理解はできるはずだ。
「今の俺たちに必要なのは武器や防具だ。可能なら回復アイテム類も必要だろう。お前たちにそれを作ってもらいたい」
お願いしているとはいえ、これは断れない。
「質問してもよろしいですか?」
白髪の爺さんが手を上げた。
たしか翔のお爺さんだったな。
「何だ」
「レベルを上げるにはあの化け物を倒す必要があると聞いたのですが、私たちに戦えと言うことですか?」
「生産組に加わる者は特別に戦闘を免除する気でいる」
「可能なのですか?」
「可能だ」
スキルってすごいよね。
「では生産職になりたいと思います。孫が命を懸けて戦っているのに私が何もしないなど、婆さんに怒られてしまいますからね」
「感謝する」
たしかお婆さんは蟻に殺されたんだったな。
気丈な人だ。
お爺さんのおかげか生産組の加わる者たちが後に続いた。
子供やその母親は手伝いをお願いし、大半の者が生産組となった。
すぐさまスマホを操作し、経験値の配分を全員均等の配分にした。
「レベルが上がったら声を上げろ」
「あ、上がりましたね」
早くね?
まぁ良いか。
すぐさま配分をもとに戻した。
「スマホがない者は俺に申告しろ。若い奴は年寄りに教えろ」
数十人がスマホが無いと来たが、その瞬間にアナウンスが流れてスマホが出現する。
俺は慣れたが他の連中はビックリしたようで、固まっていた。
何とか動けるようになると生産職に付ける者は生産職に就いてもらうが、今回は職の偏りを無くす為に俺がある程度指示を出した。
レアな職がある者はレアな職に就いてもらいたいのが本音だ。
その結果、武器職人、防具職人、料理人、清掃人、錬金術師、建築士、加工職人、炭鉱夫と幅の広い生産職が生まれた。
翔や香奈のようなレアは無かった。
生産職にあるのかは知らないが、あったらラッキー程度に考えていたので問題はない。
今現在、蟻と戦っているのはアンデット部隊なので配分を弄っても問題なかろう。
「今からレベルアップするが、気にするなよ」
配分はここに居るメンバーと翔と香奈だ。
少し思うことがあったのでこのメンバーとなった。
配分を半々にした。
ここに居るメンバーがどの程度レベルが上がっているのかをスマホで確認する。
「やっぱり翔の恩恵が凄まじいな」
翔の職業である勇者志にはレベルアップまでの経験値減少と獲得経験値の増加、レベルアップの際に上がる値を上昇させる。
そしてそれがパーティーにも適用される。
経験値配分に翔を入れておけば配分メンバーはその恩恵を受ける事が出来るようだ。
嬉しいことだ。
「職を決めた者は次にスキルを決めろ。自分の職に合ったスキルを獲得するようにしろ。分からないヤツは聞くんだぞ」
次々とレベルが上がってるからスキルポイントももらえるだろう。
それがあれば更に生産性が上がる。
スマホでいろいろやっているとスキルによる通話がかかって来た。
『黒井沢さん。レベルアップ音がうるさくて眠れないんですけど』
「あ、すまん。だが、もうしばらくかかる」
『何やってるんですか?』
「生産職のレベルアップだ」
『何で俺もレベル上がってるんですか?』
「お前を入れると効率が良いんだ。お前もレベルが上がるから文句はないだろ」
『文句はないですけど、事前に言ってください。ビックリしました』
たしかにビックリするか。
「分かった。次からはそうする」
『お願いしますね。おやすみなさい』
「あぁ。おやすみ」
申し訳ないことをしてしまったな。
翔と通話を切るとすぐさま違う人からかかってきた。
「香奈か」
『うん。何やってるの?』
「生産職のレベルアップだ」
『ふ~ん。分かった。おやすみ』
「あぁ、おやすみ」
あっけないな。
ただの確認ってだけだったか。
三十分ほど放置したが、生産職のレベルは30前後まで上がった。
これ以上は翔の睡眠時間を削ってしまう恐れがあるから致し方ないな。
「武器防具の職人は現状作れる物を作ってくれ。必要な物はまとめて俺に言ってくれ」
さて、1班が行くまでにどこまで出来るかだな。
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