マジ?
あらすじ・題名を変更しました。
旧題「数こそ力なり!! おかしくなった世界の魔物使い」
俺は人間の仲間たちのステータスをチェックしながらアンデット軍に指示して蟻を流す量を調整していた。
被害はゼロだ。
そうでなくては困る。
だが、ダメージがゼロにはならなかった。
それを補うのが仲間なのだ。
「チームワークを忘れるな! 各自それぞれが己の仕事を全うしろ! 経験値は部隊に均等に配分される! アタッカーは遠慮なく止めを刺せ!」
かれこれ30分程度だったが、人間部隊は大分マシにはなった。
戦闘に馴れたというよりもレベルが上がったことが大きい。
現在、経験値の配分は使役側に全振りしている。
俺のレベルは蟻程度では上がらないだろうし、今は俺のレベルよりも仲間のレベルの上昇が優先順位が高い。
配分にも細かな設定ができるようで、今は倒した敵の経験値がその部隊でのみ配られる仕様にしてある。
部隊間の公平性を保つためだ。
これは人間だけではなく、アンデット達も同様だ。
倒せば倒しただけ強くなれるのだ。
彼かにも今回、活躍したら部隊の名前を付けることを伝えてある。
結構張り切っているようだ。
「蟻の動きに違和感がありますね」
偵察から帰って来たセバスチャンが戻ってすぐに俺に伝えた。
「違和感とは?」
「蟻塚から次々と蟻が湧いています」
蟻塚から出てきた蟻がここまで到着する時間はおよそ6時間。
いまだに出てくるとはな。
「止まると思うか?」
「分かりません。いずれは止まるかとは思いますが、数が数です」
どのぐらい耐えられる?
戦闘力が低いとは言っても攻撃されればダメージを負うし、現状の兵力に回復を使える者はいない。
物資も枯渇はしないが防具はない。
戦闘専用の武器もない。
「部隊を3つに分ける」
「ここに来る蟻も出てくるでしょうがどうしますか?」
「ゴブリン部隊を含め、俺が持つ全兵力で事に当たる」
蟻を戦力に加えることも視野に入れなけばな。
捕縛の方法と仲間にする効率のいい方法を考えなければならないか。
「持久戦にしろ、短期決戦にしろお前たちが強くならねばならない。敵を倒してもらうぞ」
「「「ははっ!」」」
セバスチャンやそばに控えているゴブリンたち、デュラハンは戦えると思って少し笑みをこぼしている。
「人間部隊は一時撤退だな」
彼らのステータスを確認したが職業の欄が決まっていない。
空欄なのだ。
俺は強制的に魔物使いの職になったが、彼らには職業選択の自由があるらしい。
いや、魔物使いになったのが嫌って訳ではないんだが、腑に落ちない。
「アンデット部隊! 敵を漏らす必要はない。すべて蹴散らせ! これからは持久戦になる。戦い方は任せるが、長時間戦えるように戦闘をしろ」
アンデット部隊から嬉しそうな声がする。
手加減をしなくて良くなったのと少しでも敵を倒せるからだろう。
「人間部隊。目の前の敵を一掃したら一時撤退をしろ。壁に穴を開けておく」
どうやら撤退に不満を持ってる者もいるようだ。
まぁ戦えるようになって今からだって時に帰還だと不満も抱くだろう。
「従えない者は必要ない。自分で選べ」
冷たく言い放つが、渋々従うようだ。
1時間して学校の体育館に全員が集まった。
「初の戦闘ご苦労だった!」
全員の衣服がボロボロだった。
やはり防御面に難ありか。
「何で撤退したのか理由を聞いても良いですか?」
翔が前に出て話す。
「いくつか理由がある。まず一つ目はお前らの職業を選んでもらう」
頭に?が浮かんでいる。
「全員スマホを取り出せ。その中に【自己管理ツール】と言うアプリがあるはずだ」
それぞれがスマホを出して画面を確認している。
そんな中、数人が辺りをキョロキョロしているのに気が付いた。
「どうしたんだ。藤崎と菊池」
「スマホを無くしてしまったんです」
「俺もです」
名前は鑑定を使った。
名前を知ってるというのはコミュニケーションや信頼関係に重要であるらしい。
「それは困ったな……」
『ステータスデバイスを転送します』
そんな声がした瞬間、二人の目の前にスマホが出現した。
何でもありの世界か。
「良かったな」
「は、はい」
「よ、よかったです」
全員がドン引きしているが、時間がない。
スマホを無くした者が他にもいたが、俺に伝えると何故かアナウンスが流れ、スマホが現れた。
そういう仕様なのだと思っておこう。
アクシデントはあったが、これでみんな職業を選べる。
「職を選ぶのは各部隊で話し合って決めてくれ」
それぞれがワイワイやっている。
実に楽しそうだ。
「黒井沢さん。少し相談が」
「翔か。どうした?」
少し話し難そうにしていたので、耳をかした。
「実は……俺の職に勇者志ってのがありまして」
え?
勇者?
……マジで?
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