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俺は希望に皆は勇者に

あらすじ・題名を変更しました。

旧題「数こそ力なり!! おかしくなった世界の魔物使い」

 蟻がここを襲撃するまで残り僅かだ。

 戦える者は武器を手に持ち外で待機し、戦えない者は学校の中で待機してもらっている。


 何も判断できない者はグランドの端で固まっている。

 一応、武器を近くに置いてあるが無駄になるかもな。


「もうすぐ来るの?」


 朝礼台の上で戦える者を見下ろしていると横から香奈に声をかけられた。


「あぁ。もう地響きが聞こえるだろ」

「うん」


 香奈の手が震えていた。


「怖いのか?」

「怖くないの?」


 質問を質問で返すなよ。

 まぁ答えるけど。


「今回は怖くないな」

「本当に強いね。強くて……やさしい」

「嫌みか? 俺のどこが優しいんだ」


 こんな俺が優しいはずがないだろ。


「私はあなたに救われた」

「お前が勝手に救われたと思ってるだけだ。お前の金が目当てなんだ」

「お金持ってないよ?」

「お金ってのは嘘だ。本当の目的はハーレムを作ることだ」

「そんな度胸ないくせに」

「ほんと……。こんな人数を俺がまとめるとかどっかの誰かに押し付けたいよ」


 俺は眼前に広がる人の大群を目にして、そう思う。


 何で俺はこんな大人数の指揮を取らなきゃいけないんだ。


「やっぱりやさしいよ。見捨てないんだもん」

「たくさん見捨てた。いや、見殺しにした」

「それはあなたのせいじゃないよ」


 その言葉を聞いて俺は香奈の顔を見た。


「私はそう思う。あなたがすべて背負う必要もないと思うよ」

「そっか……」


 俺は空を見上げた。

 そうしないと何かが零れ落ちる気がしたからだ。


「配置につけ」

「うん」


 さて、頑張りますか。

 情けないところを見せてしまったからな。


 カッコイイところを見せよう。


 俺はメガホンを手に取って声を出す。


「蟻がすぐそこに迫っている! 大群だ! 数にしておよそ数千はいるだろう!」


 武器を持った仲間の顔色が優れない。

 それもそうだろう。


 一度は殺されかけた化け物に挑もうとしているんだ。

 トラウマになってもおかしくないほどの恐怖が心に刻まれて、それがまだ癒えていない。


 ここに立っているだけでも俺は彼らを尊敬に値すると思う。


「顔を下に向けるな!」


 大半が顔を下に向けていたが、全員が俺の方を見る。


「下に希望が落ちてるはずもない! そして希望は手の中にあると言うつもりもない!」


 俺はスマホを操作し、アンデット部隊を全て出す。


「俺が希望となる! 皆は一人ひとりが勇者となる!」


 テイマーのスキルであるステータスの譲渡を行う。

 この場にいるすべての仲間に俺のステータスを配分し、戦闘の能力を上げる。


 急激に上げても意識が付いて行かないので、上げても無理のないように調整をした。

 というよりも俺のステータスでは5しか振れないのだがな。


 各ステータス5値を譲渡し、この場にいる347人が倍のステータスになった。

 レベルがゼロの場合、各ステータスは5以下だから倍以上になってる者もいるだろう。


 そして使役者のスキルで一時的にステータスを上昇させる。

 これで戦闘能力が跳ね上がる。


 以前、ゾンビ3体に蟻の部隊を襲撃させたが、ステータス上昇の恩恵は凄まじかった。

 蟻の部隊を全滅させることは無理だったが半壊させるほどの力の上昇があったのだから。


 比較に為に上昇を使わずに蟻の部隊に突撃させたが、結果は酷いものだった。

 蟻の1匹も倒せなかったのだ。


 それだけステータス上昇は凄い。


「さっきまでのお前たちはもはや過去だ! 今、この場にいるのは勇者のみ!」


 皆が気付いたはずだ。

 力が漲っていることに。


「俺が出来るのは力を与える事だけだ! 戦うことはお前たちしか出来ない! 守りたいものをそれぞれが守るのだ!」


 全員の顔つきが変わった。

 あの蟻を倒すことに迷いはなくなったらしい。


「声を上げろ! 敵はすぐそこだ! 奴らに人間の恐ろしさを見せつけてやれ! 行くぞ-!!」

「「「「おぉおおおおおーーーーー!!」」」


 士気は上がったな。

 ステータスだけ見れば蟻などに遅れは取らない。


 だが、あくまで1対1の場合だ。

 俺は知っている。

 ステータスが高くても死んでしまうことがあることを。


 最初に出会ったデカいゴブリンが良い例だ。

 まともに戦えていたら壊滅させられていただろうが、俺はデカいゴブリンを倒すことが出来た。


 つまりその逆もあり得るのだ。


 しかも彼らが死んだら俺が譲渡したステータスが戻らない。

 上手く彼らにレベルを上げてもらわなくてはな。


 布陣はアンデット隊が前衛に立ち、無双してもらう。

 それで止められるようなら少しずつ後ろに流してもらってレベルを上げる。


 そんな感じだな。


 止められなかったら決死の覚悟で戦ってもらおう。


「それぞれ持ち場に付け!」


 解散となった。


 俺も台から下りて持ち場に向かう。

 向かう場所は学校の屋上である。


 俺は総指揮官であり、部隊を動かす係だ。

 補佐にはゼバスチャンがおり、彼にいろいろ聞くとは思う。

 頼りにしている。


「ゴブリンメイジ。やってくれ」

『はい!』


 返事の数秒後、学校の周囲に土の壁がせり上がった。

 ゴブリンメイジの土魔法である。


 学校は死守する構えである。

 グラウンドにいるやつらは見捨てる気でいる。


 あいつらに割く時間は無くなったのだ。


「アンデット部隊前進しろ。ムラサキ部隊が先頭に立ち、開戦の狼煙を上げろ」

『了解しました。ありがたき幸せ』


 食料確保で一番の成果を上げた部隊をムラサキ部隊と命名した。

 適当に付けたが、喜んでくれた。


 数秒後に火柱が上がる。

 爆風が遅れて頬を撫でる。


「お前ら、戦闘が始まった。個人で突っ走るなよ。チームワークで敵を殺せ」

『『『はい!』』』


 ガチガチやないか!


「アンデット部隊、戦況はどうだ?」

「こちらムラサキ隊。現在蟻と交戦していますが、弱いですね」

「後方に送る量を調整出来そうか?」

「可能です」

「では、各部隊に数匹ずつ遅れ。少しダメージを入れた方が良いかもしれん」

「かしこまりました!」


 何でこんな命令をしなければならないんだ!


「未熟な者を育てるとはもどかしいものです」


 いや、お前も育てたことないじゃん。


「そうだな」


 言わないけど。


「前衛が止めを刺し損ねた蟻がお前たちに向かう。冷静に対処しろ」

『『『はい!』』』


 大丈夫かな~。

 凄く心配なんだが?


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