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3、二人の尋問(尋問ざまぁ)


「いい加減に吐け、本物のシャーリー様とロゴミス様はどこに居る?!!」


「だ、だから俺達が本物だって言っているだろう!」


「まだ言うか!!、ロゴミス様がロイフォード様の婚約者であるシャーリー様を誑かすわけが無いし、ロイフォード様の入学を祝うパーティーでロイフォード様の婚約者であるシャーリー様が婚約破棄なんかするわけがないだろう!!、それ以上二人を侮辱するというのならば俺達も黙っていないぞ!!」


「そうだ、二人を騙った上にロイフォード様の命まで狙う暗殺者のくせにいつまでシラを切るつもりだ!!」



ファスティー に偽物と断じられた二人が今どうしているかというと、牢屋へと繋がれ、衛兵に尋問を受けていた、彼らがいかに自分達が本物だと主張しても衛兵達は受け入れない………彼らは〝王族本人の入学を祝うパーティーでいきなり婚約破棄をするなんて有り得ない〟っというファスティー の言い分を全面的に信じてしまっている、それもその筈だ、言われてみればそんな事をする必然性も必要性も感じない、ただリスクしかないように思える行動なのだから………問題があるとしたらその行動を何も考えず本物である本人達がしてしまっている事か。



「で、でも私達の顔はいくら何でも二人にに過ぎていませんか?」


「そ、そうだ」


「特殊な魔道具を使っているんだろう!、それもさっさと出すんだ!!」


「だからそんなもの持ってないって言ってるだろ!!」


「フン、いくら粘ったところでいくらでも時間はあるんだ、好きなだけ付き合ってやる」


(何もかもあのイカれ女のせいだ、この尋問が終わったら今に見てろよ)


「にしても、さすがファスティー少佐だよな、まさかパーティー会場に偽物が紛れ込んでいるなんて普通見抜けないよな」


「ほんとほんと、まさしくロイフォード様を守るのに相応しいお方だ」



(クソッッ、俺たちを尋問している奴らがあの女を褒め称えているなんてこれほど不愉快な事は無い)



何とかして自分達が本物だという証拠を証明しようと容姿について抗議するも、そういう魔道具を使っているのだと決めつけられる、正直に話しているのにこうして密室に閉じ込められ、詰問されるのはかなりのストレスを二人は感じていた、不意にファスティー の顔が頭に浮かんだロゴミスは心の中で復讐を誓う、奇妙な偶然か、ロゴミスがファスティー に復讐を誓うのと同時に衛兵達もファスティーについて語り出す、彼女を褒め称える衛兵達に更にファスティーの憎悪を募らせるロゴミス。



「〝カルブンクルスの悪魔〟のファスティー・エーデルシュタインと恐れられているだけはあるぜ」


「〝カルブンクルスの悪魔〟?」


「知らないのか?、一般的な鉱石魔法師や宝石魔法師は自分と相性の良い触媒しか使えず二、三種類の魔法しか使えないが、灰燼白髪爆裂炎眼の宝石魔法師〝カルブンクルスの悪魔〟ファスティー・エーデルシュタイン少佐はそれが大地の産物であるならばありとあらゆる金属、宝石、鉱石を触媒として扱えるのさ」


「な、何……待て、それじゃあ火の魔力が宿っている紅玉石と水の魔力が宿っている蒼玉石を触媒にすれば相反する魔法を扱えるということか?」


「ああ、その通りだな」


(ば、バカなそんなことできるわけが無い…………嘘に決まっている、ここから出たらまずその化けの皮を剥がしてやる)



衛兵達の話の中に聞き慣れない単語が出てきたのでつい復唱するロゴミス、どうやらファスティー の異名らしい、何でもありとあらゆる鉱石金属宝石を触媒に使えるとの事、それが本当ならば相反する魔法やありとあらゆる魔法が使えるのと同義、あまりに荒唐無稽な話にデタラメだと決めつけるロゴミス。



「……お腹が空いたんだけど何かないの?」


「チッッ、餓死されても困るしな、ほらよ」


「や、やった~ー…………って何よこのカビたパン!!」


「文句があるのか?」


「当たり前でしょ!!、こんなの人の食べ物じゃないわ!!」


「そうかい、いらないっていうなら捨てちまうぜ、一日くらい食わなくたって死ぬわけじゃないしな」


「ーーえっ!、あ、い、いや、その」


「~ーー!!ま、待て!!」



「なんだよ?、そこの女がいらないっていうから捨てようとしただけだ何か問題でもあるのか?」


「い、いや、その…………」


「それとも何か?、〝人の食べ物じゃないカビたパン〟が今更欲しいのか?」


「…………」


「自分達が用意してもらった飯に文句言える立場だと思っているのかお前ら」


「…………」


大人しく座っていたシャーリーはか細い声で空腹を訴える、衛兵は舌打ちをしながら食事を差し出す、貴重な食料に目を輝かせるが、その詳細がわかるや否や憤慨する彼女、彼女の言葉に衛兵はパンを持って席を立とうとする。


いくらカビていても今の状況では貴重な食料、ロゴミスは衛兵を呼び止めるも、ケチをつけた後すぐに欲しがる二人にイラつきながら振り返る衛兵、懇切丁寧にシャーリーの言葉を復唱する、その後、二人の立場を改めてわからせる、無言になる二人。



「おいその辺にしといてやれ、お前らもあんまり生意気な口を聞くなよ」


「チッッ、分かったよ、ちょうど俺たちの休憩時間だ、その間に大切に食べろ」


流石に可哀想に感じたのか、衛兵の一人が助け舟を出す、その言葉にイラつきながらもカビたパンを彼らの前に投げ置く衛兵、休憩時間のため、衛兵達は檻から外へ出ていく。


「シャーリー………少しは考えて喋ってくれないか、もう少しで今日何も食べられない所だった」


「何??!!、私が悪いって言うの!!!」


「いや、悪いとか良いじゃなく、今は生き残るためにだな」


「何よ!!、そもそも貴方が言ってたじゃない!!、何でも好きなものを食べさせてくれるって!!、なのに私にカビたパンを食べろっていうの!!、この嘘吐き!!」


「なッッッ、嘘吐きだと??!!」


シャーリーの発言でカビたパンですら食えなくなるかもしれなかった為、なるべく優しく注意しようとロゴミスは話しかけるが、シャーリーの神経を逆撫でしただけだった、ヒステリック気味に騒ぎ出す彼女、平静を保とうとするも彼女の嘘つきという発言にイラついてしまうロゴミス。


「何よ違うっていうの!!!」


「だから少しは考えろと言ってるんだ、どう見たって食べ物選り好みをしていられる状況じゃないだろ!」


「私が何も考えていないですって!!」



「そもそも第四王子である俺が我慢しているんだぞ!!、君も少しは我慢しろ!!」


「何よそれ!!、こんな事ならロイフォード様との婚約していた方がマシだったわ!!」


「何だと!!、ロイフォードに俺が劣るっていうのか!!」


「違うっていうなら美味しいご飯を今すぐ出してよ!!」


「そんなの無理に決まってるだろ、見てわからないのか!!」


「フンやっぱり出せないんでしょ、なら私のいう通りじゃない」


「や、優しくしてれば調子に乗って…………」


二人とも感情に流されて怒号と罵倒の応酬、もう収拾がつかない、お互い疲れるまで言いたい放題言い合う。

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