第24話 逃げ場のない戦場
まじで関係ないですが...
第一志望の高校に受かりました!
少し気が楽になったので、さらにいい小説になるように努力していきます! by霧島 零夜
相手はどう見ても魔術師。
そして、このフロアは狭く、細長い。
リーセル「今の私の心情は、まさに混沌。2人の仲間を失った悲しみと、期待外れだったという怒り、そして君に対する憎しみ。」
クレナイ「元といえば、お前らが俺の仲間を攫ったのが悪い。」
リーセル「なるほど...じゃあ、仲間のためなら他人の仲間を殺してもいいと。」
耳を傾けたら負け。
こいつの話術は、この勝負の勝敗に関わるほどの力がある。
クレナイ「お前たち、落成はどうなんだ?勝手に人を攫うとか、それでもギルドとして胸を張って言い切れるか?」
リーセル「私は、与えられた使命を全うしているだけです。使命のためなら、いくら人間の道を外れても構いません。与えられた使命は、必ず誰かが遂行しなければなりませんからね。」
クレナイ「なら、お前を殺すことに異論はないな...【氷結火炎】!」
右手から放たれた青い炎は、このフロアいっぱいに広がり、リーセルを襲う。
リーセル「いい魔法をお持ちですね。しかし...【吸収壁】。」
リーセルを囲うように、半透明で黄緑色の結界がドームを作る。
部屋の温度は低下。
壁や床は凍てつき、天井からは霜が降ってくる。
しかしーー
クレナイ「さすが魔術師、魔法への対策が厚いな...」
リーセル「そうです。私への魔法攻撃は全く意味をなさない。この結界に触れれば、全ての魔法は魔力に分解され、私の力となる!」
リーセルは無傷。
リーセルの張った結界の内部と、結界の周辺は一切凍てついてなかった。赤いカーペットに茶色い洒落た柄の壁、さらには天井までもがその姿に変わりがない。
そんな中で、脳内に伝わった変化。
リーセルの体が一回り大きくなっている。
違和感すら感じないほど微量だったが、気配の変化で気づけた。
〔解析〕はまだ終わっていない。
でも、大体の能力は掴めた。
憶測でしかないが、吸収した魔力が高度な身体強化を行う。といった感じだろうか。
腰に装備していた月燐を逆手持ちし、リーセルとの距離を詰める。
リーセルは、杖で床を軽く叩く。
リーセル「【猛火球】!」
杖の頭の部分にはまっている透明の水晶玉の色が、赤くなる。
その水晶玉からは、魔法陣が俺に向かって浮かび上がる。
そこから、視界いっぱいに広がる火の玉が放出される。
クレナイ「これぐらいなら...」
ボンッ!
月燐を火の玉に差し込み、能力を発動した。
火の玉は小さく爆発し消える。
しかしーー
リーセル「【猛火球】は1つじゃない。死にますよ。」
さっきの火の玉よりも格段に小さい。半径10cmの火の玉が、俺の視界に映る。
一旦下がるーー
いや、魔術師相手に距離を取るのは悪手。
ボカン!!
即座の判断でスライディングを決め、火の玉の下をくぐった。
火の玉はそのまま直進し爆発。
リーセル「それは判断ミスですよ?では、そろそろ見せましょうか...」
俺は気にせずに距離を詰める。
しかし、すぐに俺は足止めをくらうこととなる。
ーーリーセルの“固有スキル”によって。
リーセルまであと4歩のところで、その一歩が床についたと同時に、足元には紫色の魔法陣が浮かび上がっていた。
クレナイ「くそっ!」
魔法陣の光と一緒に、足が床から浮いた感覚に襲われ、
次の瞬間ーー
ズドン!!
俺は、大の字で天井に張り付いた。
それも、秒速300mで。
背中が天井から離れない。
いや、下からものすごい力で押されているようだ。
体が潰されるような感覚に、声が喉の奥で詰まる。
リーセル「これが私の固有スキル、〔局面魔術〕です。一定の範囲内であれば、魔力消費や詠唱、時差無しに罠を仕掛けることができる。」
俺は、リーセルを睨みつけることしかできない。
動こうと力を入れると、余計に強く体が押される。
リーセル「その罠は、【重力逆転】。重力の向きを逆転。それだけでなく、私のできる範囲でしかありませんが、重力の強さを少し大きくしています。」
まだ〔創造神〕は、重力対策が不可能。
効果時間が終わるのを待つか、
ーーここから倒すか。
リーセル「本来はこれで死ぬ算段でしたが、どちらにせよ動けないのなら及第点。安心してください。1時間、たっぷりと使って、潰してあげましょう。」
ふざけてるのか?残り時間は1時間ほどだ。
これだと間に合わない!
俺の手札で残る選択肢は、
〔幻創龍〕だった。
俺は〔幻創龍〕の召喚先を背後から変更し、
俺の周囲半径3m以内なら自由にできるようにする。
よって、
リーセル「召喚!?スキルが読めない...」
壁や天井を壊しながら現れ、リーセルを簡単に覆いつくす影。
〔幻創龍〕に、リーセルは驚きを隠せない。
このフロアの全容が見える。
ここも、さっきと同じ立体駐車場のようなところだった。
【重力逆転】の魔法陣も破壊され、俺は自由の身となる。
リーセル「死ね、【死の響歌】!」
リーセルの杖から、4つの青く光る骸骨の頭が現れた。
カタカタと音を響かせ青く燃えながら、〔幻創龍〕に襲いかかる。
〔幻創龍〕は、その全てを受け止めたが、俺の身体に異変が生じる。
激しい頭痛に目眩。
世界が反転したような異変が、脳を侵蝕する。
でも、別にこれぐらいなら勝てる。
リーセルはまだ気づいてない。というか、気づくはずがない。
俺は
ーー無詠唱で魔法が使える。
〔幻創龍〕に、【重爪撃】を指示する。




