第21話 VSラグズ
これからは20時投稿に切り替わります。
17時に戻して欲しいという意見が多ければ戻します。
頑張ります。応援よろしく! by霧島 零夜
ラグズ「疲れてんじゃねぇのか?!」
落星アジトに入ってすぐ、ラグズの襲撃に遭う。
アジト内に攫われた2人がいる可能性があるため、派手な魔法は使えない上に、そこで待っているであろうヴァギャストに勝つには、力を温存しなければならない。
よって、防戦一方の殴り合いとなっている。
静かにぶつかり合う力、ラグズはまだ魔法を使っていない。だが、おかげで〔鑑定〕を強化した新スキル、〔解析〕により固有スキルが分かった。
奴の固有スキルは、
〔暴拳〕
魔法を使えないが、腕に魔力を込めた際の強化幅が通常の10倍となる。
そのため、先ほど拾った槍は早々に破壊された。
しかも、素手で。
ラグズ「グハッ...」
俺の狙いすました蹴りが、相手の顎にヒット。
ラグズの手が止まる。
クレナイ「反撃開始だ!」
俺はラグズの胴に正拳突きを当てる。
がしかしーー
ラグズ「俺に拳で勝てるわけないじゃないか!」
終わったと思っていた解析が、まだ続いていたことに気づく。
奴は、
相手の腕に込められた魔力を無効化できる。
ラグズ「オラオラオラァ!!」
再び防戦一方の殴り合いとなる。
だが、さっきの蹴り、込めた魔力は1%にも満たないほど微弱。それでも怯んだ。
あたりどころが悪いのもあっただろうが、あの怯み方からして、明らかなダメージを負っていただろう。
それは、ラグズの顎に大きなアザがついていて、内出血していることが動かぬ証拠だ。
ヴァギャストのくれた制限時間は残り1:55:37と表示されている。この先どれだけ長いか分からない。
早く決着をつける。こんなところで時間を使っている場合じゃない。
俺は少しだけ右足を浮かせ、地面を静かに踏む動作をする。
クレナイ「【草縛】!」
俺の足元から草が生え、エントランス一帯を緑色に染め上げる。
地面や壁から伸びたツルは、ラグズの手足を完全に拘束した。
クレナイ「終わりだな。」
ラグズ「フッ、」
渾身の回し蹴りが炸裂する。
込めた魔力は2%。これなら奴は即死する。
完璧に頭部を捉えた蹴りにより、ラグズはエントランスの壁が壊れる勢いで吹き飛び、そのまま背中から血を流す。
指だけがピクリと動く。
クレナイ「あと1時間53分、間に合う!」
俺は、地下に繋がる階段に向かって走り出す。
アルトの魔力が見えたからだ。
あいつが俺に魔力で位置を教えている。だから迷うことはない。
クレナイ「待ってろ...」
ズドオオン!!
クレナイ「思ったよりしぶといな、」
ラグズ「大将を舐めてもらっちゃ困るぜぇ?!」
いつの間にか俺の背後にいたラグズは、俺の頭部に向かって拳を振り下ろしていた。
間一髪でその気配に気づき避けられたものの、その一撃で床に亀裂、砂埃が舞い視界を奪われる。
ラグズ「オラァ!」
クレナイ「見えなくても、気配が丸わかりだよ?」
あの修行と一緒だ。
見えない状況下で、攻撃を避ける。
にしても、ラグズも見えていないのに、一撃一撃が全て俺を捉えている。
気配が分かる。いや、それはないな。
勘が恐ろしいほどいいのだろうか。
やがて砂埃が止む。
傷だらけのラグズと目が合った。
クレナイ「なんでだ。なんでその傷で動ける?」
ラグズ「落星だぞ?さっきも言ったように、大将を舐めないほうがいいぜ!」
ラグズ「ヴァギャスト様に辿り着く前に、お前は確実に死ぬ!」
ラグズは息ひとつ上がってないが、明らかな疲労が伝わってくる。多分限界なんだろう。
クレナイ「【重撃】!」
動きが鈍くなったラグズに、一撃を決める。
しかし、その一撃は不発。
当たる前にラグズは床に倒れ込んだ。
クレナイ「もしかしたら、このレベル以上がいるのか...」
想像するだけで背筋が凍る。
でも、俺は救うって決めた。俺のために戦ってくれる仲間だ。もし、救えなかったらもう学校には戻れないだろう。
戻りたくもない。
いろんな思いを胸にしながら、階段を下っていく。
〜落星アジト B1〜
地下一階は、全面がコンクリートで、立体駐車場のようだ。アルトの魔力を辿ると、そこには人影があった。
でも、アルトではない。座りながら花びらを一枚一枚ととり、下を見て俯く小柄な女性だ。
女性の足元には花びらが積もっている。
まるで、何度も繰り返したように。
クレナイ「悪いがここで眠っていてくれ。」
俺は、〔即発瞬転〕で女性の背後まで移動する。そこで気づいた。大きな過ちにーー
???「...好き...嫌い...やっぱ、嫌い!」
女性の影が大きく広がり、そこから這い上がる異形の魔物。鬼に近い雰囲気で、2mの巨体に大きな口と牙。1.5mはある金棒を軽々と担ぎ、2本の角はギラリと光る。




