第13話 圧倒的な力
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最終戦。これに勝てば優勝となる、運命の一戦だ。
ラリス「すまなかった。少々時間がかかった。」
ラリスも実況席に戻る。
観客席からは、過去の対戦相手も見守っている。そして俺への応援はさらに増える。
実況「決勝戦!対戦カードは、これだァ!!」
モニターに対戦カードが映った。
実況「3年生!全試合無傷での勝利、格の違いを見せつけるのかァ?!『絶対王者』レイン!!」
レインは、貴族のような、白くてキラキラした服を着て入場する。腰に据えてあった剣が目に入る。
クレナイ「エクスカリバー、」
さっきの試合が終わってから、なぜか腕輪は20%から変わっていない。
「エクスカリバー
武器種:片手剣
素 材:???
能 力:剣先が地面についている間、自身の周囲に、
相手の魔力を一切通さない結界を張る 」
実況「対するは特待生!!激戦を勝ち抜いてきた、まさに猛者!『本物の最強』クレナイ!!おや?今回は、刀を持っていませんね。」
ラリス「勝負は一瞬じゃろうな。」
会場にゴングが鳴り響く。
実況「始まったァ!」
ラリスの言った通り、勝負は一瞬でついた。
エクスカリバーの剣先が、地面につく直前に、完全に間合に入り込めた。結界が張られるも、俺はすでに内側にいる。
20%の魔力、全てを拳に込める。
魔法も何も使わない。
レインは場外に出る間もなく、緑色の光に包まれた。
実況「速い!速すぎる!過去一短い決勝戦だァ!」
実況「ということは...優勝はクレナイィィ!!!」
観客たち「「「「うおぉぉぉぉぉぉ!!」」」」
歓声が爆発した瞬間ーー
天候が急変。分厚い雲に包まれる。
異様な雰囲気、空気までもが、怯えている。
ラリス「まずい、今すぐ避難...」
ズドオオオオン!!!
漆黒の稲妻がフィールドの中心に落ちる。
その稲妻により、フィールドは消え去り、レインは場外の壁に激突。だが、俺には何も起きない。
砂埃が止むと、人影?らしきものがあった。
???「クレナイ...私と闘いなさい...」
ノイズ紛れの機械音のような声に、霧のように実態のない姿。見た目は人型だが、断言できる。人間じゃない。
足がすくむ。息も苦しく、視界が激しく揺れる。
あいつとは違うーー
デスリピアを恐怖だとすれば、こいつは、
“絶望”だ。
パチン!
謎の存在は、指を鳴らす。
一瞬で、俺と謎の存在を、フィールドと同じ範囲の漆黒の結界で閉じ込める。
外の様子が何も見えないが、中は不思議と明るい。
だめだ、早く脱出しないと、こいつには“勝ち目がない”
ピピピッ!!
腕輪の数字が変わる。赤文字で、
“100%“
初めて見る表示だった。
やれっていうのか?こんな奴に勝てるわけがない。
ラリスは何をしているんだ。
???「私はアン・ノウン...ノウンと呼んでください...」
ノウン「私は...アナタと闘いたい...だけなのです...」
クレナイ「やるしかないか...〔幻創龍〕!」
ギアァァァォォス!!!
龍が雄叫びを上げる。込めた魔力はさっきより多い。
だがーー
クレナイ「は...?」
相手は動きもしていない。
なのに、〔幻創龍〕が粉砕された。
空間の拒絶、圧倒的な力、俺が戦って勝てる相手じゃない。
ノウン「いいですね...さっきよりも強い...」
クレナイ「まるで、見ていたみたいな口調だな。」
ノウン「ええ...見ていましたよ...”天界“で...」
クレナイ「嘘だろ...」
天界は、神が住むところ。ならこいつは必然的に、
”神“、もしくはそれと同格。
俺は、〔鑑定〕の違和感に気づく。
何も見えない。スキルも、魔力も、気配察知も。
というかこいつの魔力、全く見えない。
足は震え、これまでにない恐怖が、体を蝕む。
ノウン「震えているのですか...恐怖とはなんですか...私には分かりません...私が知っているのは...快楽のみです...」
俺は恐怖を押し殺す。
神がなんだ。俺は、こいつを全力で倒す。
俺の目が、やる気と自信に満ち溢れる。
ノウン「そうです...そうこなくては...私が楽しめません...」
俺は一瞬で距離を詰め、【重撃】を当てる。
いや、手応えがない?
一瞬だけ、奴の体が乱れただけだ。
ノウン「弱い...」
次の瞬間、俺の視界に映るノウンが逆さまになる。
ガツン!!!
俺は吹き飛ばされ、結界に背中を強打、視界が霞んでゆく。すぐさま回復させるが...
ノウン「次は...仕留め...」
頭に強い衝撃が走る。音が聞こえず、視界は暗転。聞こえるのは、身体中で脈打つ傷口の音。
俺は諦めず、体を治し続ける。
それでも、常に体には衝撃が伝わる。
傷がつけば治し、骨が折れれば治す。
でもこれだと、ジリ貧で負ける。
死が目の前に迫るなかーー
ピコン!
〔創造神〕からの通知だ。俺の脳内に電子パネルが表示される。
「新機能 “脳内操作” 解放」
きた!これに賭ける!
脳内で〔創造神〕を発動。回復を続けながら、状況を打開するための魔法を創り上げる。
ノウン「なんだ...」
ノウンは初めての感覚に、笑い声がもれる。
クレナイ「【狂宴葬火】!!」
ボカァァァン!!!
俺の周囲に漂っていた魔力が、大爆発を起こす。
ノウン「なんだと...」
ノウンは、反対側の結界まで吹き飛ばされ、
俺は回復を終え、起き上がる。
ノウン「やっぱり...面白いな...今から1週間の猶予を与える...勝ってみせろ...」
ノウンは言い残し、消え去ってしまう。
同時に結界が解け、いち早く俺に駆け寄ったのはーー
ラリスだった。




