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英雄狩り 〜最初の獲物を狩った日、世界は俺を敵にした〜  作者: Toi
第3章 オラクル編

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3-5 試験

第三章


オラクル編


第五話


静寂。


執行者は世界地図を見つめていた。


アルメリア。


赤く染まり続ける都市。


残り三日。


誰もが救うことを前提に考えている。


英雄だから。


それが当然だった。


執行者はゆっくり振り返る。


「確認したい」


静かな声。


ガイアスが鼻を鳴らす。


「まだ何かあるのか」


「ある」


即答だった。


会議場が静まる。


執行者は英雄達を見る。


一人ずつ。


順番に。


「アルメリアには四十万人いる」


誰も否定しない。


「救えば四十万人は生きる」


静寂。


「だが」


世界地図が変化する。


アルメリア。


そして周辺都市。


さらにその先。


赤い光が広がる。


ガイアスの眉が動く。


アイリスも黙る。


執行者は続ける。


「終焉は拡大している」


静かな声。


「ベルグより大きい」


「リュシアより速い」


「次はさらに大きい」


会議場が静まる。


「アルメリアを救えば」


執行者は言う。


「次は百万だ」


静寂。


「その次は千万」


誰も喋らない。


「では聞こう」


執行者の声が響く。


「どこまで守る」


ガイアスが笑った。


「全員だ」


即答。


執行者は頷く。


予想通り。


そんな顔だった。


アイリスも答える。


「当然ね」


「見捨てる理由がない」


バルドは少し考える。


だが。


答えは同じだった。


「可能な限り」


セレスも頷く。


「私もです」


静寂。


執行者は最後にグラムを見る。


焔帝。


歴代最強。


世界最高峰の英雄。


「お前は」


静かな声。


グラムは笑う。


「聞く必要あるか」


「ある」


執行者が答える。


静寂。


二人の視線がぶつかる。


グラムは言った。


「一人でも生きているなら助ける」


即答だった。


迷いはない。


「一万人でも」


「十万人でも」


「百万人でも」


低い声。


「変わらん」


静寂。


会議場が静まる。


執行者はしばらく何も言わなかった。


やがて。


小さく頷く。


「そうか」


静かな声。


ノアは違和感を覚えた。


執行者は驚いていない。


怒ってもいない。


まるで。


答えを知っていたみたいに。


その時だった。


バルドが口を開く。


「試しているのか」


静寂。


会議場が凍る。


執行者を見る。


バルドだけが気付いた。


天秤王。


人の本音を量る英雄。


「何の話だ」


ガイアスが聞く。


バルドは執行者から目を離さない。


「我々を試している」


静寂。


セレスの表情が変わる。


グラムも目を細める。


執行者は否定しない。


それが答えだった。


「何故だ」


グラムが聞く。


低い声。


執行者は静かに言った。


「英雄を知るためだ」


会議場が静まる。


ガイアスが笑う。


「今さらか?」


「今だからだ」


即答だった。


執行者は続ける。


「終焉が現れた」


「観測者が動いた」


「塔が反応した」


静寂。


「だから確認する」


英雄達を見る。


一人ずつ。


「お前達は変わるのか」


会議場が凍る。


グラムが笑う。


小さく。


そして。


立ち上がった。


「変わるわけがない」


低い声。


「俺達は英雄だ」


静寂。


執行者と向き合う。


真正面から。


「人を守る」


「それだけだ」


会議場が静まり返る。


執行者は長く黙る。


やがて。


小さく目を閉じた。


そして。


静かに言った。


「やはり」


静寂。


「変わらないか」


その言葉に。


初めて。


冷たいものが混じった。


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