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StoryCode:“muen”#1『歪な問答』

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StoryCode:“muen”#1『歪な問答』


高校の帰り道。オレは彼女と帰路についていた。昇降口で待ち構える彼女には9時から始まった学校での疲労を全て拭い去る効果があった。オレはそんな彼女の暴力的な可愛さに惚れてしまう。こんなのオレには勿体ないよな。彼女はモテる。異常な程にモテる。学校の掲示板に有志の生徒が集まって、ファンクラブを募集するレベルだ。なのにも関わらず、彼女はオレをパートナーに選んでくれた。

オレから告白したのでは無い。彼女の方から、オレに愛を伝えて来たんだ。絶対、なにかのドッキリだと思った。

『んなわけない』。

バカが⋯。だが、何処を見渡しても、オレを騙し落とそうと試みる集団の影は無い。

そんな本気でオレに惚れた彼女は、オレ以外の人間には見せない姿を見せてくれる。これが彼氏の特権というものか。特に高校からの帰り道では彼女の最高の瞬間を多く捉える事が可能だ。



「ねぇねぇ」

「うん?どしたの?」

彼女がオレの腕を引っ張るように自身の方へ近づける。オレの右腕は必然的に彼女の胸へと終着。柔らかい⋯。2人だけの空間⋯⋯セックスと似たような環境である事は間違いないのだが、しっかりと外界に身を晒している状況だ。なのに、彼女からのスキンシップは激しい。オレは一気にアツくなる。。。やば、シたいな⋯。

「今日さ、Aクラス保体だったじゃん?」

「そうだね。"体育"だったね」

「それでさ、記録測るやつやってたんでしょ?」

「そうだね」

「ねぇ、教えてよ」

「うん?何を?」

「もお〜、とぼけないでよ。記録よ記録!はい、教えて」

「嫌だよ」

「え、なんで?」

彼女の方がとぼけた顔をしている。鏡を持って、その顔を見せたいくらいだ。

「言ったじゃん、それは掲示板に張り出されるまで言わないって」

「いや⋯でもさ、私、すっごく気になるの!今にでも気になるの!」

「掲示板に張り出されて、その時にお互いの記録を見た方が新鮮なリアクション見せ合えるし、そっちの方が100倍良いと思うんだけど⋯」

「えじゃあさ!」

オレの腕を離す彼女。すると並列して歩いていた彼女は、オレの目の前まで移動して、とおせんぼうを繰り出した。彼女は右足のみを前に出して、『もお!』と言ったように全身を使ってアピール。こんな彼女の姿、普通の学校生活じゃ見られない光景だ。彼女は、学校だと凛々しいからな。こんな、天真爛漫な彼女を知っているのはオレだけだ。女友達も知らないらしい。

「私の記録、気にならないの??」

「気になるよ。そりゃあ」

「そでしょー?」

「でも、そこはさ、我慢してるわけよ」

「私はガマン出来ない!⋯⋯⋯出来ない!出来ない!」


いったいなぜ、体育“陸上”がここまで、オレと彼女の問答を繰り返すようになったか⋯というと⋯。

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