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うさぎ君は口寂しい  作者: 川合 佑樹


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第26話

 みんなで波打ち際へ向かい、水を掛け合った。

 みおが最初に海に飛び込み、両手を大きく広げて海水を掬い上げ、豪快に笑いながらあかりに向かって水しぶきを浴びせかけた。

「あかり、逃げろ逃げろー!」

「きゃあ! みおのバカー!」

 彼女は悲鳴を上げながらも、目を輝かせてみおに反撃し、水をバシャバシャと飛ばして追いかけ回した。

 二人は砂浜を駆け回り、互いの顔に水がかかるたび大笑いし、息が切れるまでじゃれ合った。

「みんな、かわいいわねー」

 ゆいはそんな二人を見て、くすくすと笑いを抑えきれず、手を叩いて喜んだ。

「……気持ちがいいわ。みんなの笑い声が、こんなに心地いいなんて」

 りんは少し離れたところで天を見上げ、ゆったり浮かびながら、笑みを浮かべた。

「わ、冷たい……! でも、ゆうくんの手あったかい……!」

 ひよりはゆうの手をぎゅっと握り、初めての海の冷たさにビビりながらも、目をキラキラさせて一緒に水を蹴り上げ、少年の笑顔に引っ張られるようにキャッキャと声を上げた。

「ひよりさん、可愛いですよ!」

 ゆうは少女の反応に一緒に笑い、水しぶきを避けながらみんなの輪を広げ、砂浜が笑い声で埋め尽くされた。

 砂浜の熱い粒子が足裏を刺し、遠くの波音が音楽のように響く中、みんなでバナナボートに飛び乗った。

 黄色いゴムボートが柔らかく体を抱き止めるように受け止め、ジェットスキーのエンジンが低く唸り始めると、みおが先頭で拳を振り上げた──短髪が風に乱れ、逞しい肩が陽光に輝き、笑顔が船長のように力強かった。

「よーし、突っ走れー!」

 彼女の野太い掛け声が波を切り裂くように響き、みんなが一斉に「わーっ!」と叫び、笑いが爆発した。

 ボートが加速し、波が押し上げては落とすたび、浮遊感が体を震わせ、塩水のしぶきが肌を冷たく叩いた。

 あかりは後ろで体を硬くし、みおの背中にしがみついた。

「落ちる落ちるー!」

 あかりの声が上ずり、みおは振り返って豪快に笑い返した。

「スピードを上げるぜ!」

 ゆいは中段で手を叩いて喜んだ。

「きゃー、楽しいわ!」

 りんは珍しく声を上げ、後ろから興奮気味に叫んだ。

「もっと速く!」

 ひよりはゆうの腕にぎゅっと抱きついた。

「ゆうくん、怖いけど……楽しいよぉ!」

 少女の声が震えながら喜びに変わり、彼はみんなの叫びを聞きながら声を張り上げた。

「いけいけー!」

 赤い瞳が輝き、白銀の髪が風に乱れ、みんなの手が自然と繋がった──ボートが大きく傾くたび、大笑いが波に溶け、塩の味が唇に残った。

 次はパラセーリングへ。

 青い空にパラシュートが広がり、ジェットスキーがロープを引くと、ゆいが最初にハーネスに固定された。

 ゆっくり引き上げられ、空高く上がると、彼女の瞳が世界を捉え、手を広げて地上に語りかけた。

「わあ、景色綺麗……!」

 声が風に乗り、みんなが砂浜で手を振り返し、大喜びの歓声が上がった。

「ゆい先輩ー!」

 みおの野太い声が先導し、あかりが笑いながら拳を握り、りんがクールに拍手し、ひよりが飛び跳ねて叫んだ。

 ゆうはみんなの姿を追い、興奮を共有した。

「月まで行けちゃいそうですね!」

 赤い瞳が空を追い、白銀の髪が風に舞い、地上の絆が空からの景色をさらに高揚させた。  

 次にみおが飛び、短髪が風に激しく乱れ、逞しい体が空に引き上げられた。

「怖えええー!」

 声が空に響き、恐怖と高揚が混じった笑いが風に溶けた。

 あかりは心配しつつ笑い声を上げた。

「みお、落ちないでよ!」

 ポニーテールが揺れ、拳を握って見守る。

 りんは静かに目を細め微笑んだ。

「風の流れが心地いい……」

 クールな表情の下で瞳に楽しげな光が宿った。

 ひよりはドキドキしながら目を輝かせ、ゆうの袖を掴んだ。

「ゆうくん、次私……!」

 彼の笑顔がみんなの勇気を支え、空の自由が大地の絆を強くした。

 次はシュノーケリングへ。

 透明な海底の世界にマスクを付け、みんなが顔を沈めると、色とりどりの魚がサンゴの間を泳ぎ、泡の笑いが水面に浮かんだ。

 ひよりは眼鏡を曇らせ、マスク越しに海底を覗き込み、指をさして大はしゃぎした。

「ゆうくん、魚さん……! あそこに黄色いの、キラキラしてるよ!」

 声がくぐもり、喜びに震え、おさげの先が水に濡れて張り付いた。

 ゆうは少女の横でマスクを直し、手を振って一緒に潜った。

 二人は魚の群れに囲まれてキャッキャと笑った。

 あかりは息を弾ませ、興奮を抑えきれず声を上げた。

「私も見つけた! 青いヤツ、速いわよ!」

 みおは魚を追いかけ、大笑いしながら叫んだ。

「俺の獲物だー!」

 ゆいはみんなの様子を眺め、微笑みながら声を上げた。

「みんな、人魚みたい」

 りんはクールに観察しつつ、珍しく声を上げて誘った。

「こんな世界があるんだ……もっと深く行こう!」

 海底の神秘がみんなの笑顔を輝かせ、興奮が次々と伝染して止まらなかった。

 海から上がると、みんなでビーチバレーのコートへ向かった。

 ネットを挟んでポジションについた。

 ボールが飛んできて、みおが飛びついた。

 タイミングが少しずれ、ボールはネットに軽く当たって跳ね返ったが、勢いだけでなんとか押し込み、砂煙が舞う中、みんなの歓声が空に響いた。

「これで決まりだー!」

 スパイクの衝撃は控えめだったが、瞳に意外な達成感が爆発した。

 りんの精密パスが光り、ボールが完璧な弧を描いて浮かび上がった。

「次、いくわよ!」

 あかりのサーブがゆうを翻弄し、鋭い球が砂を切り裂いて飛んだ。

「ゆう! 負けないわよ!」

 彼女の声に笑いが混じり、ツンとした視線が彼を射抜き、ボールが砂に沈む瞬間、胸に競争心と愛しさが交錯した。

 ゆうは必死にレシーブし、ボールが手に当たり転がりながら体を低く構えた。

「わっ、すごい! でも僕も!」

 ゆいがスパイクを決め、ボールがネットを越えて砂に沈んだ。

「私も打つわよ!」

 ひよりが小さなジャンプでボールを上げ、みんなを喜ばせた。

「わ、私も……!」

 ゆうは息を弾ませ、叫んだ。

「みんな上手い! もっとやろう!」

 砂浜が笑いと歓声で埋め尽くされ、汗と喜びがみんなの絆をさらに強くした。

 ボールが飛び交うたび、砂の粒が舞い上がり、海風が汗を冷やし、息遣いが一つに重なる瞬間が、永遠の夏のように輝いた。


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