第18話
コースターの余韻がまだ体に残る中──みんなは、お手洗いでお色直しをし、カチューシャを直し、ぐしゃぐしゃの髪を整えた。
ゆうはラビからトレイを受け取り、キンキンに冷えたジュースをみんなに配った。
レモン味のソーダが泡を立ててグラスに注がれた。
「みんな、喉渇きませんか? どうぞ!」
瞳が嬉しげに細まった。
あかりは受け取った。
「ふん、気が利くじゃない」
一口飲むと、爽やかな酸味が絶叫の疲れを溶かした。
「サンキュー、王子!」
みおは豪快に飲み干した。
「ゆうくん、優しいわね」
ゆいは微笑んだ。
りんは無言でグラスを傾けた。
お色直しを終え、五人はパークの奥へと足を運んだ。
空気はポップコーンの香りと新鮮な芝生の匂いが混じり、遠くから聞こえるメリーゴーランドのメルヘンなメロディがみんなの心を軽やかに解きほぐした。
みんなの足取りは、さっきまでの絶叫の余韻で少しふわふわと、でも絆の温かさで固く結ばれていた。
まずはラビーゴーランド──巨大な兎の背中に乗るアトラクションだ。
入口では、ふわふわの毛並みを模したライドが、まるで生き物のように息づいていた。
兎の背中は合成毛で覆われ、耳の先がピクピクと機械的に動き、大きな瞳が瞬く。
ゆっくりと森の小道を進むライドは、木々が密集したトンネルを通り抜け、人工の花畑や小川を越え、まるで本物の兎が散策するような穏やかな旅を演出していた。
みんなで一頭に乗り込み、背中のクッションに腰を下ろすと、振動が体を包み込んだ。
少年は中央に座り、周りをみんなに囲まれ、風が頰を撫でる感触に目を細めた。
「わ、思ったより揺れるな! まるで本物の兎が跳ねてるみたいだぞ! 見ろ見ろ、この耳、触るとふわふわだぜ!」
みおの叫びが響き、彼女は早速兎の耳を撫で回し、ライドの軽い揺れに合わせて体を弾ませた。
短髪が風に乱れ、笑顔が太陽のように輝いた。
「あらあら、かわいいわね、この兎さん。毛並みが本物みたいで、撫で心地いいわ……」
ゆいが耳を撫で、穏やかな笑みがみんなを和ませた。
彼女の指先が毛並みをなぞる仕草は、まるで本物の兎を愛でるように優しく、ライドの振動がその温もりを増幅させた。
あかりは少年の隣で座り、ライドが小川を越えると、水しぶきが軽く飛び散り、頰に冷たい雫が当たって思わず笑みがこぼれた。
「意外と気持ちいいわね……。この風、涼しくて、なんか……リラックスできるかも」
彼女の肩が少年に少し寄りかかるように自然と近づいた。
りんは景色をスケッチするように眺めた。
彼女の瞳は、人工の森の緑を精密に捉え、手元のスマホに素早くメモを取る仕草が、いつものクールさを保ちつつも楽しげだった。
「……この光の加減、いいわ。木漏れ日が、影のコントラストを生んでる」
少年はみんなの笑顔に囲まれ、瞳を輝かせた。
兎の背中が風を運び、ライドが花畑を抜けるとき、色とりどりの花びらが舞い上がり、みんなの頭に軽く落ちて小さな歓声を上げた。
少年の心臓は、純粋な喜びで軽やかに鳴っていた──みんなと、こんな風に……ずっと、こうしていたい。
ライドが終わり、みんなは少しふらふらしながらも笑顔で降りた。
最後に回るのはラビージャンピングホテル──落下アトラクションの極み。
兎のホテル型ライドは、高い塔のようにそびえ立ち、兎の顔をした窓から中が覗き、耳が塔の頂上でピンと立っていた。
みんなで乗り込み、座席に固定されると、ゆっくりと塔が上昇を始めた。
風が強くなり、空気が冷たく肌を刺し、パークの景色が徐々に小さくなっていった。
頂点に近づくにつれ、みんなの息遣いが荒くなり、手が汗で湿った。
「くるぞー! みんな、しっかり掴まれ!」
みおの声とともに落下し、胃が浮くような急降下だった。
風の咆哮が響き、体が後ろに押しつけられ、視界がぐるぐる回った。
塔の外壁が兎の装飾で覆われ、落ちるたび耳がピクピクと光り、まるで兎が飛び降りるような演出が加わっていた。
ゆいがりんの手を握り、りんが無言になり、あかりが少年の腕にしがみついた。
ライドが止まると、みんなはぐったりと座席に寄りかかり、息を弾ませながらも、顔を見合わせて大笑いした。
満喫の後、みおが息を弾ませた。
「楽しー! 次は、アイス食べるぞー! 買ってくるなっ!」
笑顔で兎耳のアイスクリーム屋へダッシュした。




