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第52話 少しだけ違う放課後

 図書室は今日も静かだった。


 裕翔はいつもの席に座り、参考書を開く。


 ページをめくる音だけが響く。


 向かいの席は空いたまま。


 もう三日目になる。



 問題を解く。


 理解はできる。


 進みも悪くない。


 それなのに、どこか噛み合わない感覚があった。


 ペンを置く。


 視線が自然と向かいへ向く。


 誰もいない。


「……当たり前か」


 小さく呟く。



 椅子を少し引く。


 なぜか机の位置が気になった。


 まっすぐに直す。


 誰も使っていない席なのに。


 意味はない。


 ただ、なんとなく。



 スマホを見る。


 REALITÉ。


 STATUS。


 変化なし。



(効率は悪くないはずなんだけどな)


 そう思いながらページを戻す。


 同じ問題をもう一度解く。


 理由は特にない。



 外が少し暗くなっていた。


 帰る時間。


 鞄を持つ。


 立ち上がる。


 それでもすぐには歩き出さなかった。


 数秒だけ、席を見下ろす。


 空いた椅子。


 静かな机。



 裕翔は小さく息を吐き、図書室を出た。



 廊下を歩きながら、スマホが震える。



 行動記録更新

 分類中…



「……分類中?」


 初めて見る表示だった。


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