どうしようもなく世話焼きで、 4-11
「そういえば二人共お昼御飯ってどうするの?」
雨桐がそう訊ねてきて、俺は散らかっていたテーブルの中にあった自分のカバンから財布を取り出す。
「どうって、コンビニで適当に買ってくるつもりだが」
「私も今日はそうするつもりでした」
「ほんと? 私もそのつもりだったんだ」
こういうのは女子が何かを作ってきていて、それにありつくのがテンプレというものだが、現実はそう甘くないらしい。
「しかし三人でコンビニに行くってのもあれだな。一応時間もないわけだし、ここで残って作業するヤツもいた方がいいんじゃね?」
「う~ん、一理あるかも。じゃあ私がみんなの分も買ってこようか?」
「それじゃあ雨桐さん、お願いしてもいいですか?」
そんなこんなで雨桐が買出しに行く流れになる。
なんというか予想できていたことではあるが、こうなった以上は仕方がないだろう。
「いや、俺も行く。自分の昼飯くらい自分で選びたいしな」
「えー、別に変なもの買ってくるつもりなんてなかったのに」
そういうこと言ってるヤツに限って変なもの買ってくるんだよなぁ。
とにかく、こうして俺と雨桐は学園近くにあるコンビニまで買出しに行くことになった。
私立鳳城学園は住宅街の外れにある学校で、辺りは田んぼで囲われている。
高校ということもあって近くにコンビニが数軒存在しており、俺達はその中でも一番近い位置に存在するロー○ンに行くことにした。
日曜の昼ともなれば住宅街が人で賑わうこともなく、たまに人とすれ違うだけ。そんな中を俺は雨桐と並んで歩く。
「なんか昼間に制服姿で学園外を歩くことって普段ないから、ドキドキするね」
しばらく歩いたところで雨桐の方が気まずくなったのか、唐突に話を振られる。
俺としてはこのまま黙って歩くのがベストだったのだが、ここで無視するのも気がひける。仕方なく話を拾うことにした。
「まー、そうだな。珍しい経験かもな」
「でも折無くんそんなに緊張してないように見えるけど」
「周りの目を気にしなければどうってことないだろ。制服姿を見られたからって冷やかしが飛んでくるわけでもないし」
「それはそうだけどね。う~ん、でもやっぱり緊張するかなぁ」
といいつつも、雨桐はなんだか楽しそうである。
気持ちはわからないでもない。普段しない経験というものは、えてして楽しいものである。
普段学校で授業をしている時間であるこんな真昼間に制服を着て外出する機会など、あってせいぜい校外学習の時くらいなのではないだろうか。
実際この時間帯に俺達の格好を見かけるのは珍しいらしく、道行く人達が俺達の方に目を向ける。かなり目立ってしまっているが、それもやむなしだろう。
いずれ駅前のほうにやってくると人も増え、すれ違う人をわざわざ憶えておけないようになってくる。
そろそろか、と後ろをちらりと見てみると、やはり数人俺達の後をつけていた。予想通りすぎて可笑しいくらいだ。
「おい、こっちの方が近道だぞ」
「え? あ、待ってよ」




