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魔法使いにできないコト  作者: 水無雲夜斗
第四章 どうしようもなく世話焼きで、
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どうしようもなく世話焼きで、 4-6

 電車に乗った後は女子二人がガールズトークに花を咲かせていたので、俺は終始無言で彼女達の一歩後ろを歩き、そうして学校ないし生徒会室に辿り着いた。

 ガラリと生徒会室の扉を開くと、どうやら他のメンバーは既に集まっていたらしく、中には三人の人影があった。


 「来たか、武月がいるにしては早かったな」

 「沙奈ちゃん、こっちこっち。みんなも座って座って」

 「弥生、おつおつ~」


 結月、東雲先輩、相浦先輩である。そうだった、ここに来たらさらに男女比の差が大きくなるんだった。九と雨桐と一緒にいた時でさえ疲れていたというのに、これではさらに精神的疲労がたまるというものだ。帰りたい。

 多少げんなりしつつもはや定着しつつあるいつもの席に座ると、俺の右隣に雨桐が、角を挟んで左隣に九が座った。

 ちなみに俺の正面にある生徒会長の椅子には誰も座っていない。休みだからという理由もあるかもしれないが、ここ数日は常に生徒会室を訪れているというのに、一度も生徒会長の姿を見たことがないというのはどういうことだろうか。

 それはさておき、全員が揃ったところでさっそく会議が始まる。


 「あ、沙奈ちゃんクッキーいる?」

 「じゃあ一つだけいただきますね」

 「ちなみにそれ、アンの手作りだそうだ」

 「弥生も一つもらったら? さっき食べたけどすごくおいしかったよ」

 「ほんとですか? じゃあ一つだけ・・・・・・」


 会議じゃなくてティータイムが始まったよ。ティータイムは大事にしないとネー。

 もはや雰囲気は完全に女子会である。男の俺はかなり肩身が狭い。というか邪魔じゃないですかね、帰っていいですかね?

 とにかく気配を殺して小さくなっていると、すっと隣からクッキーが差し出された。


 「折無くんも一つどうぞ」

 「お、おう」


 特に断る理由もなかったので、九からクッキーを受け取ると、それをちょっと観察してみる。

 うん、何の変哲もないクッキーだな。形は四角で、一口サイズ。みんなでつまむならちょうどいお茶菓子だといえるだろう。

 ひょいと口の中に放り込むと、ゆっくり味わうように咀嚼する。

 普通にうまい。スーパーとかで売ってる市販レベルのクッキーとは比べ物にならないほどだ。

 かといってパティシエレベルというわけではないが(そもそもパティシエのクッキーなど食べたことがないが)、むしろ東雲先輩が作るならこれくらいの味がちょうどいいというか、生徒会のみんなのために作られたようなお菓子のように感じる。

 ふと周りを見ると、何故か全員の視線が俺に集中していた。多分、感想を言えということなのだろう。


 「ふ、普通においしいっすね」

 「よかったぁ、いーくん以外の男の子に食べてもらうことってないから、ちょっとドキドキしてたんだぁ」


 いーくんって、あのたまにいる影の薄い生徒会役員の人のことだろうか。確か前に東雲先輩がそんな風に呼んでいた気がする。

 しかし男に食べてもらうことがないというのはどういうことだろうか。東雲先輩なら家庭科の時間とかに調理実習で作ったクッキーとかみんなに分けるくらいのことはしてそうだが。


 「良かったな武月、アンの手料理は学内でもかなり人気の部類だ。出回ったら軽く万を超える価値があるぞ。それ故に生徒会のみの門外不出の品だがな」


 なにそれそんなレジェンド級のもの食べさせてもらったの俺?

 とはいえ結月の言っていることにも多少の納得はいく。東雲先輩の手料理と聞くと、なんというか食べてみたくなるような気がする。味も申し分ないし、むしろ自分のために作ってくれている感が半端ない。一口食べたらつい「毎朝俺の味噌汁を作ってくれ」って言ってしまいそうになる。

 ちなみにこれは後日に青柳から聞いた話だが、東雲先輩はお嫁にしたい人ランキング学内ナンバーワンの称号を冠しているらしい。無論非公式アンケートによって作られたランキングだそうだが。


 「さて、一服もできたところだし、そろそろ始めようか」

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