協力を仰ぐ
「それでですね、今回お訪ねしたのはエリオ君の病気の事なんです」
「それは我々も気にはしていて治せないかどうか調査をしていたんだ。大事な妹の婚約者だからね」
「ロンバート家の方々は匙を投げたみたいですけどね、本来は自分を犠牲にしても子供を守るのが親の役目でしょうに……」
シェーラ嬢はイラッとした表情をしながら言った。
成人してない子供にこんな事を言われるなんて、どんだけクズなんでしょうね、エリオ君の元実家。
「私も独自のルートで調べたんですが、結論から言うとエリオ君の病気は治ります」
「ほ、本当っ!?」
「はい、エリオ君は人より魔力が多くて上手くコントロールが出来ていないんです。成長していけば治るそうです」
「やっぱりそうだったのか……」
ロイラさんは思い当たる節があるみたいだ。
「で、エリオ君の成長を促す為には聖樹の蜜が必要なんです」
「聖樹って確か追放の森の奥にある大樹の事ですよね?」
「あそこは確か魔物の住処になっていて立ち入りが困難と言われているが……」
「私はその追放の森に住んでいます」
「なんだってっ!?」
「住んでいる私だから言えますけどあそこは至って平和ですよ、魔物なんて見た事がありませんし精々野生動物がいるぐらいです」
シェーラ嬢とロイラさんはポカンとした表情をしている。
「それでですね、今回訪問したのは聖樹の蜜を取るために協力をしていただきたいのです」
「勿論、エリオの為なら喜んで協力しますわ!」
即答だった、愛されてるねエリオ君。