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ちょっと短いです
すみません
「つまり、アフール伯爵は魔法主義の貴族様なんだね」
「そ。だから伯爵の作った商会が魔道具関係である魔石事業に手を出してるのには違和感があるわけ」
魔法主義の筆頭であり、現在の魔術塔の実権を握っているアルマトリス侯爵家。その傍系にあたるのがアフール伯爵家だ。
攻撃魔法が得意で腕は一流なのだが、その力を誇示したがるきらいがあり、過激な言動が多い。魔法主義思想も強く、魔力のない領民を裏で追放しているという話もある。
リナの魔道具にもかなり反発していたはずなのだが、どういった風の吹き回しなのだろうか。
「伯爵の思惑が何にしろ、マーシー商会が魔石型のスライムを流したのは事実です。1度話を聞くべきでしょう」
「ですね」
とは言っても今から突撃するわけにもいかないので、アポをとり後日マーシー商会に尋も……話を聞きにいくことになった。
「では目下の議題は、これをどう対応するかですね」
「このスライムに関しては冒険者ギルドにも調査をお願いしてみましょう。魔物に詳しい方も多いですし、何かわかるかもしれません」
「俺も学園で論文を漁ってみます。あと、魔物研究室の教授にもそれとなく聞いてみますね」
「じゃあ、わたしは……」
「あ、リナさんは何もしないで結構ですよ」
「……あれ?」
2人の後に続こうとしたリナだが、思いっきり出端をくじかれた。
「わたしも何かやりたいです」
「その気持ちはありがたいのですが……ほら、リナさん、魔法主義の過激派に狙われてるじゃないですか」
「現についさっき襲われてるもんね。しばらくは表立って動くと危ないかも」
「……それもそうか」
正直、誰かに任せて何もしないというのはリナの性に合わない。しかし己が狙われている以上、他の人を巻き込みかねない。
それはリナだって理解している。
……理解しているのだが
「なんか仲間はずれにされた感がある……」
なんだか悲しいリナだった。
**
しょぼしょぼとしたリナを見送り、カインも早速と学園へ向かう。
かわいそうだが仕方ない。それに、塔から出てきて以降、いつも動き回っているリナには休むことも必要だ。
……休んでくれるかなぁ。
くれないよなぁ。
考えるだけ無駄な気がしてきたところで馬車が学園に到着する。今日は休日で図書館は開いていないが、魔物の研究室は開いているだろう。
「教授、ご在室でしょうか?」
「__おや、これはカイン様。珍しいですな」
案の定、教授は研究室にいた。
道中で買った菓子折りを渡し、彼との話に花を咲かせる。
偽魔石がスライムだったことはまだ機密事項なので、それとなく話を持っていき__
「そういえば、最近スライムの新種って発見されました?炎魔法が使えて、表面が石みたいな」
「また突然ですなぁ」
……それとなくって何だっけ?
しまったという顔をするカインの様子に教授は笑う。
「ほほほ。また魔物の問題を抱えてきたのですな」
「ええ、まあ……はい」
「相変わらず、腹芸は苦手なようで」
「ははは……侯爵家の人間としてはあるまじき姿ですよね」
「儂からすれば、そのままの君でいてほしいものですな。それはそうと、そのスライムの話、詳しく聞かせてもらえますかな?」
観念したカインは教授に例のスライムの話をする。
もちろん、魔石に紛れて事故の原因になっていたことは伏せた。短時間で同じ轍はさすがに踏まない。
「ふうむ、そのようなスライムが見つかった報告は知りませんなぁ」
「そうですか……」
明らかに肩を落とすカイン。本当にわかりやすい侯爵令息である。
しかし、よほど切羽詰まっているようだ。教授はカインに尋ねてみる。
「カイン様はそのスライムを討伐したいのですかの?」
「討伐というより、選別がしたいですね。石に紛れている個体を見つけたい、と言ったところでしょうか」
「魔力探知ではダメなのですかな?」
「周りの魔力も強いので判別ができないんです」
教授はふむと考える。
「スライムを死なせてしまっても問題はございませんかな?」
「はい、死滅させなければ問題はないと思います。
……まさか」
教授はニヤリと笑った。
「ありますぞ、判別方法」




