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召喚術師を召喚したいのですが、どうすれば良いですか?  作者: 島ノ松月
地球激動編

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地球激動編 1-176 異世界の大召喚術師、ユニバの夏を満喫する(前編)

異世界の大召喚術師、ユニバの夏を満喫する (前編)


異世界の大召喚術師エンペラールが美土路神社でのアルバイトを体験した日の翌朝、最神玲と物部かすみと神室霊華、そしてエンペラールの4人は、朝風呂ならぬ朝露天風呂を満喫していた。その後、先に露天風呂を出た玲と神室霊華は、母屋のキッチンにて朝食の準備を始めた。そして今は、用意された朝食を4人で味わっている。


  「今日はかすみがエンペラールさんを

   どこかに連れて行くんだよね?」


  「そやで。霊華さん含めて

   3人でユニバに行く予定やねん」


とかすみは楽し気に今日の予定を玲に伝えるが、これから玲を除く3人でかすみの大好きな大阪のユニバに遊びに行くという。


  「ただ、今日も暑くなるから、

   暑さ対策は忘れないようにね!」


  「そんなん、当たり前やろ、玲!!」


とかすみは少し切れ気味になって答えるが、玲の心配と言うのは、この別荘が昼間は30℃近くなる時もあるが、今この時間でも20℃位で過ごし易いため、ここに居る感覚で向かうのは危険だよ、と言うことを念のために伝えたに過ぎない。かすみもそこの所は分かっており、わざわざ言われるまでもない、と言うことで玲にクレームを入れたのだった。


 そして当のエンペラールはと言うと、かすみからワクワク、ドキドキするところに連れて行くと言われて、実はかなり期待に胸を膨らませていた。と言うのも、惑星サモナルドの都市国家ロムリアにも一般市民が遊ぶ施設は幾らでも存在する。だがエンペラールは立場上、ロムリアを統治する12人の大臣の1人であり、ロムリアでは決まった日に休むという習慣は存在しないため、ほぼ毎日のように仕事をし続けている。そのためロムリアでどこかに出掛けて遊ぶという感覚は、彼女の中では既に忘れ去られて久しい概念であった。


 一方の神室霊華はと言うと、自分の長くはない人生で殆ど、もしかして恐らく幼少の頃だけだろうか、記憶の片隅に両親と共に遊園地に行った記憶がある位にしか遊園地での思い出がない。と言うのも、両親共に会社の経営に奔走していた時期とも重なり、殆ど休みを取ることが出来ない時期でもあったためだ。そしてこれから向かうユニバは、当然その存在は知っており、かすみと出会う以前、霊能力者仲間でも何人かはユニバに遊びに行ったとか、そんな話を聞いたことはある。かと言って自分から進んで行きたいかと言われると、その頃はちょっと首を傾げていた。やはり誰かと一緒に行った方が楽しいだろうとは思うものの、では誰と行きたいかと問われると、思い当たる人物がいなかったことが大きい。だが今であれば、間違いなく玲とかすみと一緒に行きたいと希望を言うであろう。そして今日まさにかすみを含めた3人で遊びに行くとなって、神室霊華も心の中ではかなりウキウキしていたようだ。


 さて、玲が神社仕事に向かうべく美土路神社の自宅に転移した後、残された3人は早速ユニバに行く準備を始める。と言っても何か持って行くものとしては、化粧用品以外に特にない。今回はほぼ現地調達で済ませるつもりである。チケットはかすみが予め予約購入を済ませており、しかも待ち時間を短縮できるエクスプレス・パス付きである。これで1人二万円ちょっとであるが、かすみからすると痛くも痒くもない金額である。と言うことで持っていく物はチケットと化粧用品だけであるのだが、それよりも


  「とにかく日焼け止めは

   しっかりした方が良いですよ!」


とエンペラールに日焼け対策をしておくことを強く薦めた。だがエンペラールはキョトンとした表情を漂わせる。そしてかすみに向かって「日焼け止めってなーに?」と尋ねた。かすみは一瞬虚を突かれたかのうよに目を丸くして固まるが、直ぐに何かを思い出したのか額に手を当てて


  「そっかー、エンペラールさんの所って、

   日焼けせぇへんやったっけねー」


と何やら思い出してそう呟いた。それは、以前東洛総合大学の夏合宿にM&Mとして玲と一緒に向かう時、玲が日焼け止め対策をしないのは、そもそもサモナルドでは紫外線の影響が小さいからということを聞かされたのを思い出したのだった。そしてエンペラールは


  「そうねぇー、あそこは夏の暑さよりも

   冬の寒さの方が大変なのよねー」


そのために日焼け対策と言う概念は、どのロムリア市民にも存在しないのだった。だからと言って、このまま何もしないのはやはり無謀であり、


  「でもね、エンペラールさん、

   日焼け止めしないと、あん時の、えぇーっと...

   あっ、カステリアルさんやったっけ。

   あの人みたいに肌がこんがり焼かれちゃうねんよ」


とタチアナを見送りに向かった時に目にしたカステリアルの様子をエンペラールに伝えた。するとエンペラールは、その時の様子を思い出したのか、目を大きく見開いたままかすみに向かって


  「カカカ、カスミさん!! わわわ、私も、

   カカカ、カースみたいに、

   ままま、真黒になっ、なっ、

   なっちゃうの?」


とブルブル震えながらかすみに訴えた。かすみは大袈裟に頷いて、


  「そうですよ、エンペラールさん!

   地球の紫外線の影響をなめてたら、

   あんな風になるんですよ!」


とかすみも体をブルっと振るう演技をしながらそう伝えた。そしてエンペラールにも日焼け対策の重要性が理解できたところで、早速日焼け止めをお互いに塗り始めた。


 さて日焼け対策も出来た所でいよいよ3人はユニバに向けて出発するのだが、そうなると転移場所をどうするかが問題になる。神室霊華もそんな遊園地の周囲に転移に適した場所があるとは思わないのだが、かすみは既にその場所を見つけていた。そこは


  「実はな、ユニバの周りって、

   結構工場が多いねんけどな、

   意外に公園も幾つかあったりすんねんよ。

   せやから、そこに転移しても問題ないんよ」


と神室霊華に向けて事も無げにそう伝えた。と言っても全く根拠が無い訳ではなく、実は何回かそこに転移して確認済みであったのだ。そうすると後は現地に赴くだけとなったので、3人は帽子とサングラス、そして日傘を用意して転移して向かった。



 今日も大阪は猛暑日となる予報が出ているが、ここユニバにはそれでも沢山の人が集まっている。平日にもかかわらず特に子供達の姿を多く目にするのは、やはり夏休みが影響しているのであろうか。そして3人は、無事に入場を果たし、今はアーケードの下にてこれからどこに行こうか考えていた。


  「霊華さん、何か体験したいアトラクションとか、

   乗ってみたい乗り物とかある?」


  「そうですね、正直言って何があるのかまだよく

   把握しておりませんので、師匠にお任せしますが...」


エンペラールも両手広げて肩を竦めたため、かすみの考えていたプランで行動することにした。先ず午前中に、空いてそうなアトラクションを見て周り、その後はエクスプレス・チケットの力を借りて並ばずに楽しもうというのだ。



 午前中、幾つかのアトラクションを楽しんだ3人は、今は冷たいフルーツクリームソーダを手にして日陰で暫し休憩中である。3人の周りでは、子供たちの(はしゃ)ぐ声がそこかしこから聞こえてくる。


  「どうでした、今までのアトラクションは?」


とかすみは手にしたフルーツクリームソーダを美味しそうに飲みながら、エンペラールと神室霊華にそれぞれ感想を尋ねた。


  「私は初めての体験なので、どれも何というか...

   想像できない世界ですね。

   唯々(ただただ)興奮が止まらないのは分かりますねー」


と神室霊華も笑顔でフルーツクリームソーダを飲みながら感想を伝えた。そしてエンペラールはと言うと


  「ロムリアではあの動かない乗り物に乗って、

   あたかもそれが動いているように感じる

   アトラクションですか、

   あれに似た物はあるんですよ~」


と説明するのだが、それはロムリアで上映される映画のことであり、360度全方位スクリーンの中で自分が主人公になるような設定は、確かにユニバのアトラクションとの親和性はありそうだ。だが、


  「ただね、ここみたいに激しく揺れたりと言うのは

   体験したことないですね。

   そう言う意味では凄く新鮮でしたよ~」


とこちらもニコニコしながら、手にしたフルーツクリームソーダを飲んでいる。そんなエンペラールに対し、かすみはふと疑問に思ったことを口にした。


  「エンペラールさんの所のその映画ですか、

   それって結末とかって同じですよね?

   もしそれやったら、ここのアトラクションぽい

   気ぃもすんねんけど...」


所がエンペラールの答えは、かすみだけでなく、神室霊華も驚くような予想外のことであった。


  「そう言うのもあるけど、今はね、

   結末は分からないようになっているのよ」


その理由は、主人公になり切った観客が自由に動き回ることが出来るようになっており、それにより主人公が途中で死亡するとか、あるいは違う結末に導かれるとか、そんなストーリー展開がされる映画が主流なのだという。


  「えっ、それやったら、

   ほぼゲームとちゃいますの?」


と思わずにいられないかすみだが、どうやらロムリアのAIと言うか、コンピューターシステムが瞬時にその時の情報を基に映像とシナリオを作り替えるというのだ。そしてその結果


  「リピーターというのかしら、

   何度も違う体験ができるとかで、

   結構人気なのよね~」


と言うのだが、確かにそれは面白そうである。そして、そんな話で盛り上がった3人は次のアトラクションに向かうのだった。



 ランチタイムになったところで、かすみはあるレストランに向かった。そこはユニバに数あるレストランのうちの結構な人気を誇る店である。そのため外には飲食待ちの行列が出来ていたが、かすみはそれを予想して予約を入れておいたお陰で、スムーズに店内に案内された。そして神室霊華とエンペラールと相談して決めたメニューは、肉たっぷりのハンバーガーセットである。実はエンペラールは、ロムリアでもタチアナを伴ってよくハンバーガーらしきものを食べに行くという。ただし、らしきものと言う表現は、


  「こんな風にパンと言うの、

   これが分かれてないのよね」


と言うように、1つの丸いパンに切れ目があり、そこに具材を挟んで食べる、ホットドッグのようなスタイルだというのだ。しかもかなり固いパンらしい。そしてやはり


  「肉がねもっとゴッツイのよね。

   だから結構ね、食べ応えがあって

   しかもジューシーなのよね~」


と今にも涎が垂れそうな雰囲気を湛えながらエンペラールは解説するが、要するにパテを挟んだものではなく、どちらかと言うとチキンサンドとかカツサンドのようなイメージだろうか。そしてエンペラールは、目の前に置かれたハンバーガーに早速かぶりつくのだが、


  「うわー、何これ、本当に肉なの?

   歯応えがなさすぎるんだけど...」


と驚きと共に何やら不満を口にするのだが、


  「でも何でしょうかね~、柔らかいけど

   凄くジューシーですね。

   後、この野菜との相性も良いですね~」


とご満悦の表情を湛えた。かすみは、最初エンペラールが気に入らないのかとヒヤヒヤしたのだが、どうやら満足してもらったことでホッとしていた。そして3人のお腹を満たしたところで、午後からのアトラクション巡りを再開するのだった。

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