【閑話】その時彼らの足下では (後編)
※どこかの人間視点
眠たい。眠たい。眠たい。眠たい。
眠りたい。
心行くまで、いつまでも眠っていたい。
最後にすっきりとした目覚めがあったのは、何時だっただろうか。
目覚めてすぐに思うこと。
眠たい。
眠るためなら、なんだってする。
ふかふかな寝台。
固い床。
湯槽の中。
ざらざらの土の上。
大樹の枝に跨がって。
どこに行っても、眠れない。
むにむにむにむに。
おや?
……むーに、むーに、むーに。
これは、良いむにむに。
むにむにむにむに。
むーに、むーに、む、に、む、に、む……に、む……に……。
目が覚めると。
腕の中には、ぐったりした大きな芋虫が。
「……!!!?」
でかい。
ものすごくでかい。
人族の赤ん坊くらいの大きさがある。
どこで拾ってきたんだ?!
……そう言えば、良いむにむにの抱き枕を拾ったような?
……そのまま、その枕を抱えて……意識が無くなったような?
気がついたら、探しに来た家人に清水や新鮮な葉を用意させて、芋虫を撫で擦っていた。
このまま儚くなるのだけはなんとかしないと!
……なんとかなった。
おかげで快適な睡眠を得ることが出来るようになった。
今もすぐ横で、旺盛な食欲を誇る芋虫をぼんやり眺める。
この調子で食べてたら、直ぐに蛹になって羽化しそうだよなぁ。
羽の感触も楽しみだ。
とりあえず、食べ終わった芋虫を抱き抱えて将来を夢想していると、どうも芋虫の調子がおかしい。
今までは抱えた時は、こんなに動いて無かったよな?
元気になったからか?
……羽化したら、飛んで逃げられるかも?!
どうしよう。
どうしよう。
とにかく、ずっと抱き抱えて逃がさないようにしないと!




