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10歳の誕生日


カーテン越しに、朝の光が私の顔を照らす。

今日は待ちに待った私の10歳の誕生日。

実は朝日が照らす前から待ち遠しくて、先に目が覚めていたことは秘密だ。


「シーナ!起きてる??」

隣のベットの、チベットが声をかけてきた。

「もちろん。起きてるよ!なんていっても今日は私の誕生日だものっ」

そう返事すると、ベットから飛び起きた。


もちろんチベットも、笑いながら一緒にベットから降りると、朝の身支度を整えて部屋を飛び出す。


本当は誕生日だから、もう少し髪の毛を綺麗に整えたいところだけど、気持ちが急いでそんなこと考える前には部屋から出ていた。


食堂に着くと、もう皆んな配膳の準備をしていた。

「皆んな、おはよう!!」

「おはよう!」

「お誕生日おめでとう!」

「誕生日なのに、ギリギリかよっ」


なんて、皆んなから声をかけられながらも、顔の笑みは止まらない。

準備ができたので、皆んな席につくとシスターの声の後に祈りを続ける。

「シーナ、お誕生日おめでとう。10歳の誕生日ですね、どんな気持ちですか?」

「シスターマリア、ありがとうございます!ワクワクでいっぱいです!」

私の返事にマリアや、皆んなが笑みをこぼす。


「今日からあなたは10歳になりますので、選択ができます。街に働きに出るか、何処かの家に奉公に出るか、シスター見習いとして働くか。もちろんあなたの気持ちは固まっているかと思いますが、一応伺いますね。」

「もちろん、シスターマリアと同じ、シスターを目指します!私はシスター見習いになります!」

「そうですか、分かりました。もちろん分かっていましたので、明日から教会で見習いとして働けるように準備はできています。」

「あなたがいなくなるのは寂しいですが、これからシスターとして成長してここに戻ってくる日を楽しみにしていますね。」


マリアの温かい言葉が、心に響く。もちろん私も寂しい。


私がこの孤児院に拾われてから今日で、10年が経った。冬の寒い日に孤児院の前で泣いていたところを、マリアが助けてくれた。その日から私の家はここなのだ。明日から違う場所にいることが想像出来ない。もちろん私だけではなく、他の子達も今まで10歳になると、この孤児院から出ていかなければいけないので同じことだが、皆んなこの辛さを我慢して旅立っていったのだ。


私も今日が最後だけど、精一杯の笑顔で孤児院を後にしたいと思う。


「さて、シーナは今日で最後ですが、皆さんも悲しまず笑顔で見送ってあげて下さいね。」

マリアも同じ意見のようだ。マリアは、自分や皆んなにとって親のような存在なので、もちろん離れることは寂しい。でも、皆んなに優しくて、何か悪いことをした時にはきちんと怒ってくれる、そんなマリアが私は大好きで、憧れだったので、マリアと同じシスターになりたいと思ったのだ。今回シスター見習いになることに後悔は無い。


泣き言を言わず、またマリアに会える日を楽しみに頑張らなければ。

そんなことを思いつつ、マリアの言葉に耳を傾ける。

「では皆さん、シーナに沢山感謝の気持ちを伝えて下さいね。では、今日は特別に午前の仕事は無しとします。」


マリアの言葉に皆んな歓声をあげる。

「やった!!シーナ何する??」

「シーナ!最後におままごとしよう!」

「シーナは私と一緒に街に遊びに行くの!」


各々私を抜きにして話し出す。

話は程々に先に朝ごはんを食べなければ。


「皆さん、お話も大切ですが。朝ごはんの後にしましょうね。」

マリアの目が無言の圧力で皆んなに語りかけてくる。

この目をした後のマリアは怒ると怖いので、皆んな話は程々に急いで食事を進める。


朝ごはんも終わり、最後に祈りを捧げたら食器を片付けて、机の上を拭き片付けは終了だ。


今日は午前中の仕事が無しになったので、まずは末っ子のリラと、おままごとをすることにした。


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