教会の中
ミナのあとを続いて廊下を進む。
私が住んでいた孤児院より館内は広く、長い廊下がいくつも枝分かれしている。初めのうちは迷子になりそうだ。
「さっきも自己紹介したけど、私はミナよ。よろしくね。」
ミナが後ろを振り返って私たちに自己紹介をしながら、館内の説明をしてくれた。
「ここの廊下を進んでいくと、食堂があるわ。食事は皆んなで集まって準備して食べるの。朝寝坊などで遅刻すると朝食は抜きになるから、気をつけてね。」
「私朝起きるの苦手で、寝坊しちゃいそう…」
エマが起きれなさそうなのは、何だかイメージできる。私もあまり得意では無いので気をつけなきゃ。
「あら、私は朝は得意だから、2人とも起こしてあげるわ。」
セイラはやっぱり優しそうな子だ。目がぱっちりしていて、話し方もサバサバしているから初めて会った時は、少し怖い印象があったけど、話せば話す程いい子だと感じる。もっと、セイラやエマと仲良くなれるといいな。
3人で話しながらミナの説明を聞いていると、急にミナの声が小さくなった。
「あとねさっき、エドワード様も仰っていたけれど、地下には絶対に行ってはだめよ。あそこは限られた人達しか行くことを禁じられていて、先月約束を破ってしまった子が、此処を追い出されてしまったの。」
「隣の部屋の子だったんだけど、次の日にはベットも片付けられていたわ。」
「えっ……追い出されちゃったの……?」
エマが青ざめた顔で呟いた。
「そうよ。シスターになりたいのなら、ルールはきちんと守ってね。」
そうすぼめた声で話すと、ミナはさっきの話はなかったかのように、前を向いて歩き出した。
何だか怖いな。うっかり迷い込んでしまわないように気をつけなきゃ。ミナや他のシスターの言うことはきちんと守らなきゃな。
食堂以外にも、順番に洗濯場や畑、治療室など一通り回ると、お腹が空いてきた。
ちょうどお昼の時間なのか、ミナがさっきの食堂に案内してくれた。
何だか、学校の校舎を歩いているみたいだ。……いや、この世界に学校なんてないか。
学校って何だっけ?
まぁいっか。まずはお昼を食べて、午後も頑張ら無ければ。
食堂からはパンの焼けるいい香りがしてきた。
グゥーーっ
「いい香りに、ついお腹鳴っちゃった。へへっ」
エマの可愛い愛嬌に、つい笑顔がもれる。
「今日は初日だから、いつもより豪華よ。」
「本当に?楽しみっ。」
初めての教会での食事。
どんな時間になるだろうか。楽しみだ。




