礼拝堂
ユリアのあとを着いて行くと、大きな空間に着いた。正面には今まで見たことのないほど色鮮やかなステンドグラスが広がっていた。
差し込む陽の光が床を七色に染め、まるで神様が本当にそこにいるような気がする。
「綺麗だね…」
「うん…」
ついエマと話していると、ユリアが席に着くように促してきた。それぞれ横並びに3人ずつ席に着くと、正面には見知らぬ初老の男性が。
「ようこそ、皆儀式は無事行われたと聞きました。お疲れ様でした。」
優しそうなおじいさんだ。
目元には深い笑い皺が刻まれていて、きっと普段からよく笑う人なのだろう。
「私の名はエドワード。この教会の教会長です。今日は皆さんにこれからここで生活する際のルールについて説明します。」
「光の子となった皆さんには、神に仕える者として誇りを持って生活してもらいます。」
「これから数年間は、先輩シスターの元、礼儀、歴史、祈り、読み書き、人を助ける術を学びます。」
「失敗を恐れてはいけません。みな初めは何も出来ないのは当たり前です。その為に私達がいて、あなた達を聖なる道へ導きますので安心なさい。」
「詳しい館内についてはこの後担当シスターが案内します。」
「最後に一つだけ、地下には教会の重要な保管庫があります。見習いは立ち入りを禁じます。」
最後の言葉の時にだけ、空気が少し重く感じた。何か地下にあるのだろうか?見習いの私には関係ないことだろう。いちいち気にしていてはこれからの仕事は覚えられないし、早く仕事を覚えて私はマリアみたいになるのだ。
そう考えている間に、エドワードの話は終わっていた。
「ここへ来た皆さんは、それぞれ違う場所で育ちました。ですが今日からは家族です。シスターや司祭だけではありません。ここにいる仲間もまた、あなた達の家族です。困ったことがあれば、一人で抱え込まず必ず周りを頼りなさい。」
「では、それぞれに担当シスターがつきます。」
なんて良い人なのだろう。マリアも、エドワードも神に仕える人は皆素敵な人ばかりだ。
「エマ、セイラ、シーナ。あなた達3人には、シスター見習いミナが先輩としてつきます。もちろん何かあれば私でも良いですし、日常の些細なことならミナの方が聞きやすいでしょう。」
一人の少女が前へ出る。
私たちより四、五歳ほど年上だろうか。肩まで伸びた艶やかな黒髪を揺らし、柔らかな笑みを浮かべていた。
「はじめまして、ミナです。あなた達3人よりは少し先輩ですが、私もまだ勉強中なので一緒にシスターを目指そうね!よろしくね。」
清楚で優しそうな雰囲気の先輩だ。この人なら確かにちょっとした事も聞きやすくて、有り難い。
「「「よろしくお願いします!!」」」
3人揃って挨拶すると、ミナはふふっと微笑んだ。
「では、礼拝堂を出て館内を案内するわ。」
ミナの後に続き、3人は歩き出した。




