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一匹狼クール系女子がなぜか俺に構ってくる件  作者: たかはし
一年生編

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42.ホント悟には、困っちゃうな

今回はメインヒロイン視点です

〈神崎燈side〉


「お帰りなさい、燈。あ、悟君来てくれたのねー、後は初めましてね。燈と悟君のお友達かしら?」


 学校が終わって、私達は校門で石原先輩と合流して、我が家〈喫茶カントリー〉に来た。わー、悟以外の人を連れて来たの初めてだから、なんか緊張しちゃうな。


「ママ、紹介するね。この背が、私より高い男の子が野呂太一君」

「前に言ってた、悟君の親友ね」


 ママが微笑む。以前から、野呂君の事は伝えてたから、どんな子か気になってたんだろうな。


「それで、こっちの綺麗な黒髪の人は、石原愛先輩。野呂君とは恋人関係にあるわ」

「あらそうなの~」


 楽しそうに目を細めるママ。因みに娘の私が、言うのもなんだけどママは、重度の恋バナ好きだ。


「太一君に愛ちゃん。初めまして。私は神崎燈の母の、薫と言います」

「ご丁寧にありがとうございます」

「やっぱ、神崎さんの母親だけ有って、綺麗だな……痛っ」


 ママに見蕩れていた野呂君の足を、石原先輩が思い切り踏む。見てるだけで痛そう。


「ほら、見蕩れてないで太一君。挨拶は基本よ基本」

「別に見蕩れてた訳じゃ。誤解は後で解くとして、初めまして野呂太一です。悟とは、保育園の頃から一緒です。よろしくお願いします」


 石原先輩に促されて、挨拶をする野呂君。意外だな。野呂君って尻に敷かれるタイプなんだ。石原先輩に対しても、言葉が悪いけどオラオラしてる感じかなって、思ってたんだけど。


「嬉しいわ。燈が悟君とは別に、友達関係を築いて……しかも、家に連れて来てくれるなんて」


 ママ。そうだよね。今まで私、家に友達を呼んだ事なんて、一度も無かったもんね。


「これも、悟君が居てくれたお陰ね。ありがとうっ」


 満面の笑みで、ママが悟を見る。それに対して彼は真顔で


「別に感謝される事はなにも。燈さんが、人を惹きつける程の、魅力が有るからこそですよ」


 もう。悟はいつだって謙虚だなっ。いや、この場合……自己評価が低過ぎなんだ。


 どうにかならないかしら? 悟の言動は常に正しい。常に、他人に嫌な思いを抱かせないように、動いている。それって、当たり前だって彼なら言うかも。でも、その当たり前の事が出来ない人は存外多い。


 ホント悟には、困っちゃうな。嬉しいけどねっ。こんな素敵な人が、居たんだなって思わせてくれたから。


 でもなぁ、悟自身がその事に気付けてない。いつだって、正しい事をしてるのに。自分に興味が無いのか、他人ばかり目が行って、悟自身は疎かになってる。


 これも多分、彼の抱えてる(もの)が、影響してるんだろうな。まあ、追々そこは矯正していけば良いよね? ああでも、自覚されたらされたで困るかも。


 その優しさを今まで以上に、他人に向けられたら……私のライバルが増えるだけじゃんっ。


「さあ、立ってるのもなんだから。どうぞ、奥のテーブル席が、空いてるから。そこに座ってちょうだい」


 ママが奥のテーブル席を、手で指し示す。私達は、ママの示したテーブル席へ、向かう。

 

「待っててね。今飲み物持ってくるから。太一君と愛ちゃんは、コーヒー大丈夫かしら?」

「はい大丈夫です」

「俺もっ」

「……太一君」

「……っ。お、俺も大丈夫です」


 おぉ凄い。いつも自信満々の太一君が、石原先輩に対して怯えてる。


「ふふっ。じゃあ待っててね。すぐ戻るからっ」


 そう言って、ママは奥の厨房に去って行く。因みに、私と悟がいつもの席に座って、向かい側のテーブル席に、野呂君と石原先輩が座っている。


「もう、太一君しっかりしてよ」


 石原先輩はそう言いながら、野呂君の頬を突く。


「ごめんって愛ちゃんっ」


 野呂君が、顔の前でパチンッと、両手を合わせて謝る。こんな彼を見るのは初めて。凄い新鮮。


「まったく……。太一、お前人との、距離感とか礼儀を考えろって、前から言ってるだろ?」

「ぐっ。すまん」


 あー、悟が追い打ち掛けちゃった。どうするのよ。野呂君、肩身が狭そうに縮こまっちゃったじゃん。


「まあ誰とでも、すぐ打ち解けられるのは……太一の長所だと思うけどな」

「そうね……というか、その台詞は恋人である私が、言いたかったんだけど」

「それは……大事な役目を取ってしまって、ごめんなさい」


 え、なんかこの二人自然に話してる。いつの間にそんな仲良くなったのっ?


「悟、愛ちゃん……ありがとうっ。俺頑張るっ」

「お前の頑張るは、空回るから止めろ」

「そうね。私がゆっくり教えるから。焦らず行きましょう」


 あ、そういうことね。野呂君という、共通の存在居るから。だから、この二人は話せるんだ。


「な、なんだよ。二人して……」

「諦めた方が良いよ。だって悟も愛さんも、野呂君の事……これ以上無い程に熟知してるんだから」

「神崎さんまで、そう言うのかよー」


 ガックリといった調子で、項垂れる野呂君。私達三人は、その様子を見て笑う。


 なんか良いなぁ。悟との二人っきりも良いけど、こうやって他の人も交えて、笑い合うのも楽しい。それによく言うよね。人は深く付き合わないと、本質が見えてこないって。


 たまにでも、またこうして皆で集まりたいな。そしたら、今度は愛さんの事も、もっと知れるかも。勿論、一番知りたいのは……悟だけどっ。当然じゃんっ、好きな人なんだからっ!!


「は~い、皆お待たせ~っ」


 ママの笑顔が、今までより輝いて見える。私が悟以外の人を連れて来たのが、本当に嬉しいんだ。


「ママ、手伝うよ」


 私はママの元へ向かう。またここに、悟達を連れてくる事を誓いながら。

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