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蒼色の恋に。  作者: ひろねる


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92/243

91 ビーチバレー

⸻

「いくよー!」

試合再開。

今度はさっきよりも、少しだけ本気。

蒼がレシーブを上げる。

「凛!」

「うん!」

凛がトス。

そのまま――

ポン、と軽く返す。

「ナイス!」

自然に笑い合う二人。

⸻

「蒼先輩ー!」

七海が声を上げる。

「こっちも本気でいきますよー!」

そのまま強めの返球。

「おいガチじゃねえか!」

三郎が叫ぶ。

「当たり前でしょ!」

千尋が笑う。

⸻

ラリーが続く。

砂が舞う。

笑い声が重なる。

その中で――

太陽はふと視線を向ける。

愛菜。

真剣な顔でボールを追っている。

一瞬だけ目で追う。

すぐに視線を戻す。

⸻

「っ――!」

そのとき。

強めのボールが凛の方へ飛ぶ。

少し体勢が崩れる。

「凛!」

蒼が咄嗟に動く。

手を伸ばし――

ぐっと支える。

距離が、一気に近くなる。

「……あ」

凛が小さく声を漏らす。

顔が近い。

一瞬、時間が止まる。

「……大丈夫?」

「……う、うん」

凛の頬が赤くなる。

⸻

「はいはいはい!」

千尋がニヤニヤしながら割り込む。

「なに今のー?」

「いい感じじゃん!」

「うるせえ!」

蒼が即ツッコむ。

三郎は爆笑。

「今のはポイント高いわ!」

⸻

砂浜の上で。

笑い声が広がる。

でもその中で、

確かに――

少しずつ、

距離が変わっていく。

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