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蒼色の恋に。  作者: ひろねる


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89 やばい

昼の忙しさがひと段落した頃。

優子がぱんっと手を叩いた。

「はい、一旦休憩!」

「ここは他のスタッフに任せるから、みんな少し休みましょうか」

三郎がすぐに反応する。

「え、マジで!?」

「休みってことは――」

千尋がニヤッと笑う。

「行くしかないよね?」

「海」

その一言で、空気が一気に変わる。

「よっしゃあああ!!」

三郎が叫ぶ。

「待ってました!!」

太陽はため息をつきながらも、少しだけ口元が緩んでいた。

「……はしゃぎすぎだろ」

蒼も軽く笑う。

「まあ、いいんじゃないか」

「せっかくだし」

そのとき。

「じゃあ、着替えてくるね」

千尋がそう言って、凛と愛菜の腕を引く。

「ほら二人とも!」

「行くよ!」

「え、ちょっと――」

凛は慌てながらも引っ張られていく。

愛菜は苦笑しながらついていった。

「私も行きます!」

七海が元気よく続く。

「先輩たちに負けないですからね!」

その後ろで、小夜もふっと笑う。

「じゃあ私も行ってくるね」

少し遅れて、優子も微笑んだ。

「ふふ、私も一応行こうかしら」

三郎が振り返る。

「え、優子先生も!?」

「なにその反応」

「いや、なんかこう……」

「大人の余裕見せてあげるわ」

そう言って、優子も更衣スペースへ向かっていった。

しばらくして。

海辺に出てきた男子三人。

「……」

「……」

「……」

三郎がぽつりと呟く。

「……まだ?」

「うるせえよ」

太陽が即ツッコむ。

「待て」

蒼は苦笑する。

「まあ落ち着け」

――そのとき。

「お待たせー!」

最初に現れたのは、千尋だった。

鮮やかなビキニに、いつものテンション。

「どう!?」

「似合うでしょ!」

「おおー!」

三郎が即反応する。

「いいじゃん千尋ちゃん!」

「めっちゃギャル!」

「褒めてる!?」

千尋が笑う。

「次!」

その後ろから、愛菜が現れる。

少し落ち着いたデザインの水着。

でも、スタイルの良さがしっかり分かる。

「……どう?」

三郎が固まる。

「……」

「……おい三郎?」

太陽が声をかける。

「……いや、普通にやばい」

「語彙力死んでるぞ」

蒼は一瞬だけ目を逸らして――

「……似合ってる」

短く言う。

愛菜は少しだけ照れたように笑った。

「ありがと」

その様子を、千尋がニヤニヤ見ている。

「はいはいはい!」

「まだいるよー?」

次に、七海が元気よく飛び出してくる。

「どうですかー!?」

少し元気系の水着。

健康的で明るい印象。

「おおー!」

三郎がまた叫ぶ。

「元気枠きた!」

「なんですかそれ!」

七海が笑う。

「いいじゃないですか!」

太陽も少しだけ笑う。

「似合ってるな」

「ありがとうございます!」

元気よく返す。

そして。

「……お待たせ」

凛が、ゆっくりと姿を見せた。

一瞬。

空気が止まる。

三郎が口を開ける。

「……」

「……やば」

太陽も少しだけ目を逸らす。

「……普通に可愛いな」

蒼は――

一瞬だけ、言葉を失った。

「……」

「……蒼くん?」

凛が少し不安そうに声をかける。

「あ、いや」

蒼は慌てて、

「……めっちゃ似合ってる」

凛の顔が一気に赤くなる。

「……ありがと」

嬉しそうに笑う。

千尋が即ツッコミ。

「はい青春ー!」

「うるさい!」

そのとき。

「遅れてごめんね」

小夜が現れる。

一瞬で空気が変わる。

「……」

三郎、再び沈黙。

「……今日どうしたお前」

太陽が呆れる。

蒼も目を逸らす。

「……すごいですね」

「褒めてる?」

「はい」

「素直だね」

そして最後に――

「お待たせ」

優子がゆっくりと現れる。

大人の余裕を感じさせる水着。

三郎が固まる。

「……」

「……もうダメだこいつ」

太陽が呆れる。

優子はくすっと笑う。

「ちゃんと働いたご褒美ってことで、いいでしょ?」

蒼は苦笑する。

「……まあ、そうですね」

「よし!」

千尋が手を叩く。

「じゃあ遊ぶよー!」

「ビーチバレーしよ!」

「いいね!」

三郎が即反応する。

「負けねぇぞ!」

「いや絶対お前弱いだろ」

太陽がツッコむ。

そのまま、全員が海の方へ走り出す。

笑い声が広がる。

凛は、笑いながら走る蒼の背中を見ていた。

さっき感じた、あの小さな違和感。

それが何なのか、まだ分からないまま――

凛もまた、海へと駆け出した。

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