8 話合い
蒼の部屋には午後の柔らかな日差しが差し込み、リビングのテーブルを囲むようにして四人が座っ
ていた。三郎はスマホで何かを調べながら、太陽はリラックスした様子でソファに腰掛けてい
る。愛菜は蒼の隣に座っていた。
「じゃあ、ゴールデンウィークの予定、みんなどうする?」
三郎がそう切り出す。
蒼は軽く笑いながら肩をすくめた。
「せっかくだしさ、どこか出かけたいよな。みんなで」
三郎は「だよな」と頷きながら、スマホを見せる。
「海とかさ、遊園地とか、あとキャンプとかどうよ?」
「それもいいね」
太陽が穏やかに頷く。
蒼も続けて言った。
「うん、どれも楽しそうだな」
その流れの中で、愛菜が少しだけ表情を曇らせながら口を開いた。
「えー、私はショッピングとかもいいけど……」
声の調子はいつも通りだった。
けれど蒼の女友達も一緒に来ることを思い出し、胸の奥がほんの少しだけざわつく。
三郎はそんな愛菜の反応には気づかず、元気よく話を続ける。
「じゃあさ、まず一個メイン決めようぜ! 他のところもまた別の日に行けばいいし」
まとめ役らしく、手際よく話を進めていく。
四人の間には時々笑いも起こり、雑談を交えながら予定は少しずつ固まっていった。
太陽は愛菜のどこか複雑そうな表情に気づいていたが、特に口には出さない。
一方の蒼は特に深く考えることもなく、ただ会話の流れに身を任せていた。




