7 電話
蒼はベッドに座り、スマホを手に取る。
深呼吸をひとつして、意を決し、凛に電話をかける。
「……もしもし、新井さん?」
少し緊張した声で蒼が言う。
「はい、蒼くん?」
電話越しでも、凛の声に心が軽く跳ねる。
「えっと、ゴールデンウィークの件なんだけど…千尋ちゃんも行ける?」
凛は少し笑いながら答える。
「うん、大丈夫だって。楽しみだな」
「そっか、よかった。じゃあ、行き先とか、どうするか…」
蒼が軽く世間話を交えながら話す。
「どこに行きたいとか、何かやりたいことある?」
凛は少し考え込み、声にワクワクを込める。
「うーん、まだ具体的には決めてないけど、みんなで相談して決めたいな」
「そうだな、みんなで決める方が楽しいしな」
蒼は自然な笑みを浮かべて言う。
「ちょっと言っていい?」
凛の心臓が少し早鐘を打つ。
「なに?」
思わず声が少し弾む。
「その、新井さん、笑うとやっぱりいいな」
さりげない褒め言葉に、電話越しでも凛の頬が赤くなる。「え……そ、そんな…」
顔を手で押さえたくなるほど、胸が熱くなる。
心の中で、凛は思わずつぶやく。
――やばい、ちょっと蒼くんを意識しちゃうかも……
少し沈黙のあと、蒼が笑いながら言う。
「じゃあ、場所が決まったら連絡するね」
「うん、楽しみにしてるね!」
電話を切った後、凛はまだ胸の高鳴りを感じながら、布団にごろりと横になる。
ゴールデンウィークが、こんなにも楽しみだと思ったのは初めてだった。
凛はベッドに横になり、今日一日の出来事を思い返す。
「今日は、いろんなことがあったな…」
ちょっと胸が高鳴り、体の奥がそわそわと落ち着かない。
さっきの蒼の笑顔や声を思い出すと、自然と顔が赤くなり、心臓の鼓動が少し速くなる。
布団に身を沈め、体を丸めながらも、頭の中では今日の出来事を何度も反芻する。
――あの瞬間、私、なんであんなにドキドキしたんだろう。
思わず小さく息を吐く。
なんでもない会話や些細な仕草なのに、心がざわつく。
「……私、蒼くんのこと、ちょっと意識しちゃってるのかも」
夜の静けさの中、凛の心は少し熱く、でも甘く、落ち着かない感覚でいっぱいだった




