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蒼色の恋に。  作者: ひろねる


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79 好きなタイプ

蒼は少しだけ考えてから答える。

「まあ……そうですね」

小夜はビールを一口飲む。

そして言った。

「なんかさ」

「愛菜ちゃん」

少し間を置く。

「蒼くんのこと好きなんじゃない?」

蒼は思わず顔を上げた。

「え?」

小夜は肩をすくめながら笑う。

「なんとなくね」

「今日の七海ちゃんとの会話とか聞いてて思っただけ」

蒼は少し困ったように笑う。

「いや……」

「そんなことないと思いますけど」

小夜は蒼を見ながら「ふーん」と小さく言った。

その目は、どこか試すようだった。

しばらく沈黙が流れる。

蒼は視線を落としたまま、ぽつりと言った。

「……まあ」

少し間を置く。

「元カノではありますけど」

小夜の手が止まった。

「え?」

今度は小夜が驚く番だった。

蒼は苦笑する。

「高校のとき付き合ってました」

小夜は一瞬、言葉を失う。

それからゆっくりとビールを飲んだ。

「へぇ……」

小さく息を吐く。

「そうなんだ」

蒼は肩をすくめる。

「まあ、いろいろあって別れましたけど」

小夜は蒼を見ながら言う。

「なのに今は普通に友達やってるの?」

蒼は少し考えるように天井を見た。

「……まあ」

「大学入ってから、また普通に話すようになった感じです」

小夜はくすっと笑う。

「すごいね」

「普通できないよそれ」

蒼は苦笑する。

「そうですかね」

小夜はピザを一口食べる。

それから蒼を見た。

「じゃあさ」

少し間を置く。

「蒼くんは」

「もうなんとも思ってないの?」

蒼の手が少し止まった。

「……」

少し考えるように視線を落とす。

そして小さく笑った。

「どうなんですかね」

「正直、自分でもよく分からないです」

小夜はビールを一口飲む。

そして静かに言った。

「そっか」

その言葉は、からかいではなく

どこか少しだけ真剣だった。

少しの沈黙。

蒼はピザを一口食べる。

小夜はふっと笑った。

「なんかさ」

「恋バナしてるの、久しぶりかも」

蒼は少し驚いた顔をする。

「そうなんですか?」

小夜は肩をすくめる。

「大学の友達とはあんまりこういう話しないんだよね」

そう言いながらビールを飲む。

気づけば、もう半分以上空いていた。

小夜はテーブルに肘をつきながら蒼を見る。

「蒼くんはさ」

「どんな人がタイプなの?」

蒼は一瞬固まる。

「え?」

小夜は笑う。

「なにその顔」

「普通の質問じゃん」

蒼は少し困ったように頭をかいた。

「いや……急に聞かれると難しいですね」

小夜は楽しそうに言う。

「じゃあ聞き方変える」

「蒼くんの好きなタイプは?」

蒼は少し考える。

「うーん……」

少し間を置いて答えた。

「ちゃんと人のこと考えられる人……ですかね」

小夜は少し意外そうな顔をした。

「へぇ」

「なんか真面目な答えだね」

蒼は苦笑する。

「小夜さんが聞くからですよ」

小夜はくすっと笑う。

そしてビールを飲み干した。

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