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蒼色の恋に。  作者: ひろねる


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56/152

55 誇っていいと思うよ

その名前を聞いた瞬間、蒼の思考が止まる。

(……井端秀悟ってあの井端秀悟か?)

俺らの世代で千葉で野球やってて、知らないやつなんていない。

県予選の決勝で敗れはしたものの、高校通算56本塁打。

マリーンズにドラフト2位指名。

そして̶̶

高卒一年目から打率2割8分、20本塁打。

満票の新人王とベストナイン。

今や、日本の未来の4番候補とまで言われている男だ。

蒼はゆっくり口を開いた。

「……知ってます」

すると女性は、あっさりと言った。

「あいつ、元カレなんだよね」

蒼は思わず女性の顔を見る。

「え……?」

思わず声が漏れた。

女性は苦笑する。

「そんな顔するよね」

そして少し肩をすくめた。

「でもさ」

「あいつ、本当にクソみたいな男だから」

蒼は一瞬言葉を失う。

蒼は恐る恐る聞いた。

「……なにか、あったんですか?」

女性はグラウンドの方を見たまま、小さく息を吐いた。

「高校二年から付き合い始めて」

「卒業して、私は大学」

「で、あいつはプロ野球」

少し間が空く。

「最初は普通だったよ」

「でも大学入ってしばらくしたら、全然連絡来なくなってさ」

「なんか不自然な行動も増えてきて」

女性は眉をひそめる。

「それで問い詰めたら」

「あいつ、いろんな女と浮気してたんだよ」

声には明らかな苛立ちが混じっていた。

「プロ一年目からあれだけ成績出して」

「完全に調子乗ってたんだろうね」

女性は鼻で笑う。

「ほんと、バカみたい」

そして少し間を置いてから言った。

「まあでもさ」

「あいつ、実力は本物だったから」

蒼は黙って聞いている。

女性は続ける。

「そのあいつが、きみのピッチング認めてたってことは」

「誇っていいと思うよ」

蒼は一瞬言葉を失う。

(……あの井端秀悟が?)

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