46 デート開始
駅前に着いたとき、凛はすでに待っていた。
改札前の柱の横で、スマホを見ながら立っている。
蒼は少し歩みをゆっくりにする。
「……凛」
声をかけると、凛が顔を上げた。
「あ、蒼くん!」
ぱっと表情が明るくなる。
蒼は軽く手を上げた。
「待った?」
「ううん、今来たところ」
そう言って笑う。
凛は蒼を見て、少しだけ首を傾げた。
「蒼くんやっぱり背高いね」
蒼は少し苦笑する。
「今さら?」
凛は笑う。
「バーベキューの時も思ったけど」
「こうして並ぶと、すごいなって」
「そうか?」
「うん」
二人はそのまま並んで歩き始める。
駅前から水族館までは、歩いて十分ほどだった。
途中で凛のスマホが震える。
「あ」
画面を見る。
「……千尋ちゃんだ」
蒼も少し覗き込む。
凛がメッセージを読む。
少しして、困った顔をした。
「どうした?」
凛はスマホを見せる。
『ごめん凛!急用できた!』
蒼
「……」
凛
「……」
二人で顔を見合わせる。
数秒後、もう一通メッセージが届いた。
凛が読む。
『まぁ二人で楽しんできな』
凛
「えぇ……」
思わず声が漏れる。
蒼は小さく笑った。
「完全にわざとだな」
凛は少し困ったように笑う。
「どうしよ」
少し沈黙。
蒼が水族館の入り口を見る。
「まぁ……せっかくだし」
凛もそちらを見る。
「うん」
小さく頷く。
「行こっか」
二人は並んで歩き、水族館の入り口へ向かった




